【検証エコノミー】ソニー、営業益最高へ 完全復活にはスマホ立て直し急務 (1/2ページ)

ソニー本社ビル外観=30日午後、東京都港区(古厩正樹撮影)
ソニー本社ビル外観=30日午後、東京都港区(古厩正樹撮影)【拡大】

 ソニーは30日、平成31年3月期の連結業績予想を上方修正し、本業のもうけを示す営業利益が2年連続で最高益を更新する見通しとなった。長い低迷を経て、テレビやパソコン、音響機器などのエレクトロニクス(エレキ)が中心だった事業構成からの転換が実を結んだ格好だ。ソニーは復活したといえるのか。

 31日夕、東京・品川の本社2階フロア。決算説明会で十時(ととき)裕樹最高財務責任者(CFO)は、「何年にもわたって経営改善に取り組んできた結果だ」と強調した。31年3月期の連結営業利益見通しを、減益予想だった従来の6700億円から、前期比18.4%増の8700億円になると発表。同時に公表した30年9月中間連結決算でも、営業利益が前年同期比20.1%増の4345億円と、中間期として2期連続で最高益を記録した。

 主力のゲームや音楽、金融といった事業がいずれも好調で、製品を売って終わるのではなく、サービスを通じて継続的に収益を得る「リカーリング」と呼ばれるビジネスが伸びた。ゲームや音楽の権利ビジネスなどのエンターテインメント部門で傾向が顕著となっているうえ、エレキ部門でもカメラの交換レンズの品ぞろえを増やしている。連結売上高に占めるリカーリング型事業の比率は30年3月期で約4割まで拡大しており、今後も比率を伸ばしていく方針だ。

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