全銀協、ブロックチェーン実証実験　１２月開始　決済システムで負担軽減狙う

　全国銀行協会（全銀協）は２９日、銀行間の決済システムに仮想通貨の基幹技術であるブロックチェーン（分散型台帳）技術を活用する実証実験を１２月に開始すると発表した。振り込みの際に、銀行間で行われる資金清算業務を効率化できるかを検証し、銀行の負担軽減につなげたい考えだ。

　実証実験には３メガバンクやりそな銀行、福岡銀行など９行が参加。富士通が提供する実験環境を活用して来年１月にかけ実施し、３月に結果を取りまとめる。

　銀行間の振り込みは、全国の金融機関をつなぐ「全銀システム」を経由する。その際に１億円以上の振り込みは決済リスク低減の観点から取引ごとに即時決済する。一方、１億円未満はシステム負担を勘案し、取引ごとではなく１日１回まとめて資金清算する。それまでは銀行が振り込まれるお金を建て替えている。

　今回、１０万円未満の小口の振り込みでブロックチェーンを使った銀行間の即時決済を検証、安価で負担が軽い決済システムをつくれるかの可能性を探る。

　銀行間決済システムへの同技術の活用をめぐっては、カナダやシンガポールの中央銀行でも実証実験が行われているという。