トレッキングで被災地に誘客を 韓国版「オルレ」 (1/2ページ)

宮城県東松島市に開設された「オルレ」に参加する韓国人観光客ら=10月8日
宮城県東松島市に開設された「オルレ」に参加する韓国人観光客ら=10月8日【拡大】

  • 「オルレ」のコースについて説明する木島新一さん=10月3日、宮城県東松島市の宮戸島

 地域の文化に触れながら自然の中を散策する韓国版トレッキング「オルレ」のコースが、宮城県東松島市と気仙沼市に開設された。いずれも東日本大震災の津波で被害を受けた沿岸部で、観光客をどう回復させるかが地域の課題となっている。地元自治体は、韓国を中心とした外国人客誘致の起爆剤になってほしいと期待を寄せる。

 韓国版「オルレ」

 「海岸の松の木がきれいですね」。気仙沼市唐桑半島にコースがオープンした10月7日。訪れた東京在住の30代の韓国人女性は「近くでオルレを楽しめる日が来てうれしい」とにこやかに話す。

 太平洋の荒波が作り出した海岸の美しい風景、津波で海底から打ち上がった巨石など自然の力も感じることができる。地元観光協会の三上忠文さん(67)は「多くの人に来てもらい、地域を挙げてもてなしたい」と意気込みを語る。

 オルレは韓国・済州島が発祥で、山や海岸など未舗装の道約10キロを地図や目印を頼りに自分のペースで歩く。済州島の団体「済州オルレ」がコースを認定している。日本では九州7県で21コースが整備され、訪れた韓国人は2017年までの5年間で約17万人、日本人の参加も約13万人と好評だ。

 東松島市が整備したのは、津波で大きな被害を受けた宮戸島を巡るルート。地元観光ボランティアの木島新一さん(68)は獣道同然の散策道を草刈りしたり標識を取り換えたりして、心待ちにしてきた。韓国語の看板や地図も製作した。

 自宅がある集落は津波で7人が犠牲に。木島さんも妻と塩釜市の仮設住宅に身を寄せ、一度は島を離れようと思った。だが「島が観光客でいっぱいになるところを見たい」。取り組んできた島の活性化を諦めなかった。

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