トヨタ通期予想を上方修正、売上高29兆5千億円で過去最高見込む

トヨタの2019年3月期第2四半期決算説明会で発言する小林耕士副社長=6日午後、東京都文京区後楽のトヨタ自動車東京本社(酒巻俊介撮影)
トヨタの2019年3月期第2四半期決算説明会で発言する小林耕士副社長=6日午後、東京都文京区後楽のトヨタ自動車東京本社(酒巻俊介撮影)【拡大】

 トヨタ自動車は6日、平成31年3月期の通期連結業績見通しを上方修正した。売上高は従来予想より5千億円多い29兆5千億円と過去最高を見込む。当初は前期比1・3%減を予想していたが一転、増収(0・4%増)の見通しとなった。為替相場が想定より円安ドル高で推移したことが寄与する。同時に発表した30年9月中間連結決算は増収増益。欧州でハイブリッド車の販売が好調で、アジアではタイやインドでも伸びた。

 通期見通しでは、本業のもうけを示す営業利益を従来予想より1千億円多い2兆4千億円(前期とほぼ変わらず)、最終利益を1800億円多い2兆3千億円(前期比7・8%減)に、それぞれ引き上げた。

 前提となる為替レートを1ドル=106円から110円に、1ユーロ=126円から130円に見直し、輸出の採算が改善する。

 9月中間期については、売上高は前年同期比3・4%増の14兆6740億円と過去最高で、営業利益は15・1%増の1兆2618億円。最終利益は16・0%増の1兆2423億円で、2年連続の増益だった。日本事業は販売台数が減ったが、原価改善などで利益を押し上げた。ダイハツ工業と日野自動車を含むグループ世界販売は1・5%増の529万3千台と過去最高を更新した。

 小林耕士(こうじ)副社長は東京都内で開いた会見で、「体質を強化して筋肉質にしていきたい」と述べ、収益性の向上に意欲を示した。