三越伊勢丹、地方店てこ入れで構図変わるか

決算について説明する三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長=7日、東京都中央区
決算について説明する三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長=7日、東京都中央区【拡大】

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)の2018年9月中間連結決算は、18年3月期に最終赤字に転落したどん底からのV字回復となった。だが、富裕層や訪日外国人客(インバウンド)消費の恩恵にあずかる都心の基幹店の好調の一方で、地方店で苦戦が続く構図は変わらず、杉江俊彦社長の今後のかじ取りが問われている。

 7日発表した2018年9月中間連結決算は売上高が前年同期比4.3%減の5639億円だったものの、都心の基幹店が好調で営業利益は41.5%増の108億円の増益だった。最終利益は39億円(前年同期は1800万円)。

 基幹店は高級ブランド品などの販売が好調で、三越銀座店(東京都中央区)は4~10月の売上高が前年同期比7.1%増と伸びた。10月には三越日本橋本店(同)の改装部分がオープンし、一段の販売増も見込まれる。

 ただ、同社が重視する都心店とは対照的に、地方店は苦戦を強いられ、4~10月の売上高も前年割れが目立つ。杉江社長は当初、地方店の閉鎖には否定的なスタンスだったが、9月には伊勢丹相模原店(相模原市)など3つの地方店閉鎖を発表した。

 地方店は、都心に比べてインバウンドが少ない上に大型ショッピングセンターなどとの競争激化という構造的な課題を抱える。今後は人口減少がさらに進むとみられ、事業環境は厳しくなる一方だ。

 杉江社長は7日の会見で新たに広島三越と松山三越の商業施設への転換の方向性を示したが、業績改善に結びつくかは見通せない。同じく苦境の他の地方店にどう向き合うのかを含め、次の一手が注目される。(柳原一哉)