【経済インサイド】「安さ」限界…デジタル戦略に活路を見出す通販型損保 (3/3ページ)

ネットで保険の見積もりを比較する男性=3月
ネットで保険の見積もりを比較する男性=3月【拡大】

  • 問い合わせにAIを活用したチャットボットで24時間365日対応するセゾン自動車火災保険のサービス画面(同社提供)
  • 問い合わせにAIを活用したチャットボットで24時間365日対応するセゾン自動車火災保険のサービス画面(同社提供)

 ソニー損保は売上高が過去10年間で2倍に増え、業績を堅調に伸ばすなど通販型の中で勝ち組だ。事故の報告をした際は1時間以内に担当者から連絡がくるサービスを提供するほか、顧客の口コミをホームページで公開。他の通販型と比べ保険料は少し高めだが、ソニーの高いブランド力と顧客に安心感を与えるサービス対応が成長を支える。

 新たなフェーズに

 こうした中、通販型は価格以外のサービスレベルや事故対応の差別化で競う新たなフェーズに入ろうとしている。AIやビックデータなどデジタル技術を活用し、顧客目線のサービスで独自性を訴求できなれば、シェアを伸ばせず、淘汰(とうた)の波にさらされるとの見方は強い。

 一方、ビジネスモデルを転換しつつある通販型に対し、「安さと手軽さが売りのはずで、顧客が通販型に手厚いサービスを求めているのか」と大手損保からは冷ややかな声も聞かれる。アクサ損保は7月からインターネット経由で新規契約をした顧客への保険料割引額を最大1万円から2万円に引き上げるなど、あくまでも価格での差別化を追求する動きもある。市場が頭打ちとなる中、生き残りをかけて通販型の競争は今後、さらに激しさを増しそうだ。(万福博之)