【フジテレビ商品研究所 これは優れモノ】「ザ・グレンリベット」

繊細な柑橘類のアロマと、クリーミーでスムーズな余韻が特長な「ザ・グレンリベットファンダーズリザーブ」700ミリリットル。希望小売価格4800円(税抜き)
繊細な柑橘類のアロマと、クリーミーでスムーズな余韻が特長な「ザ・グレンリベットファンダーズリザーブ」700ミリリットル。希望小売価格4800円(税抜き)【拡大】

  • 150年前のスタイルとデザインを踏襲しているポットスチル(蒸留器)
  • ザ・グレンリベット蒸留所のあるスコットランドのスペイサイド
  • 樫村悠生氏

 □ペルノ・リカール シングルモルトウイスキー「ザ・グレンリベット」

軽やかで華やかな甘みが特徴

 国内でのハイボールブームや世界的な需要の伸びを背景に、原酒不足による人気ウイスキーの販売中止が話題になった。そうした中で、今回の「これは優れモノ」は、シングルモルトウイスキーの元祖であるウイスキーを取材した。

 「ここ10年ほど、グレンリベットの認知度が日本でも高まっています」と話すのは、ペルノ・リカール・ジャパンの樫村悠生(ゆうき)さん(34)。同社はフランスに本社を置き、「ザ・グレンリベット」「シーバスリーガル」といったウイスキーや、オーストラリアのワインブランド「ジェイコブス・クリーク」などを傘下に持つペルノ・グループの日本法人だ。

 ◆有名ブランド蒸留所が集中

 ウイスキーは、原料の大麦と水を発酵・蒸留させて原酒を造り、たるに寝かせて熟成させる。長いものでは50年もの間寝かせることから、“時間が造る酒”とも例えられ、需要が伸びたからと、すぐに出荷できる商品ではない。

 ひと口にウイスキーと言っても、原料や産地によって種類が分けられる。大麦麦芽だけを使い、1カ所の蒸留所で造られたものがシングルモルトウイスキー。これに対し、大麦以外の小麦やトウモロコシなどを原料としたグレーンウイスキー、さまざまな蒸留所で造られたモルトウイスキーをかけ合わせたブレンデッドウイスキーがある。

 世界のウイスキーの5大産地は、スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、日本で、日本のウイスキーは、スコットランドのスコッチウイスキーを手本にしたという。

 樫村さんは「スコットランド産は、さらに6つほどの産地に区分けされ、風味にそれぞれ特徴があります」と説明する。

 6つの産地のうち、「ザ・グレンリベット」を生んだのは、スコットランド北東部、ハイランド地方のスペイ川周辺に位置するスペイサイド地域。ここで造られるウイスキーは、フルーティーでフローラル、軽やかで華やかな甘みが特徴で、有名ブランドの蒸留所が集中している。

 スコットランドでウイスキー造りが始まったのは12~13世紀だが、17世紀に入り、スコットランドがイングランドに併合されると、ウイスキーの蒸留業者に高い税金が課されるようになった。そこで、課税逃れのために人里離れた山奥に移り、密造酒をたるに保存したことが、現在のウイスキーの香りやコクにつながった。

 ◆本物の証し 定冠詞“THE”

 スペイサイド生まれのジョージ・スミス氏が創設したザ・グレンリベット蒸留所は、1824年に政府公認第1号の蒸留所になり、出荷されるウイスキーは人気を集めた。

 グレンリベットの名前の由来は、スコットランドのゲール語で渓谷を意味するグレンと、静寂を意味するリベットをかけたもので、シングルモルトウイスキーの代名詞として世界中に広まった。だが、数多くの模倣品が出回るようになり、法的手段を通じて、商品名に本物だけに許される定冠詞の“THE”をつけることになったという。

 秋の夜長にウイスキーの歴史をひもときながら、シングルモルトの味比べをするのもいいかもしれない。

                  

 ≪interview 担当者に聞く≫

 □ルノ・リカール・ジャパン マーケティング本部 樫村悠生氏

 ■じっくりと時間をかけて浸透

 --国内のウイスキー需要が伸びている

 ハイボールブームを追い風に、2005~15年にかけてウイスキー全体の販売量が倍増したという。「ザ・グレンリベット」も、シングルモルトの原点として、日本をはじめ世界的な人気ブランドになっている。原材料の大麦や水、ウイスキー造りに欠かせないポットスチル(蒸留器)など、昔からの製法や品質にこだわって生産している。

 --強いブランド力がある

 日本で本格的に発売したのは15年ほど前からだが、ホテルやバーテンダーの世界ではそれ以前から有名で、「シングルモルトを語るにはまず、ザ・グレンリベットを知れ」などと言われている。われわれは、一般の消費者に直接販売をしていないので、お酒を扱うプロの方々から顧客の嗜好(しこう)の変化などを聞き、より親しみやすい飲み方の提案に努めている。

 --グレンリベットのおいしい飲み方は

 世界では少数派だが、日本でのハイボールが人気で、海外でも徐々に、ソーダで割る飲み方が広まっているようだ。一方で、日本では本来、ウイスキーはストレートで飲むものと考えられているが、現地のスコットランドでは、ちょっと水で割って飲むのが一般的。アルコール度数が40度ほどあるので、風味を楽しむには、水で少し度数を落とした方が良いのかもしれない。

 --今後の展開は

 バーテンダーや販売店など、専門の方々を対象にしたセミナーやイベントを開催している。一般向けにも、「ザ・グレンリベット ガーディアンクラブ」という無料のファンクラブを立ち上げた。スマートフォンでシングルモルトウイスキーの知識を学んでもらったり、会員限定でテイスティング・イベントなどを開いたりしている。ウイスキーと同じく、じっくりと時間をかけて浸透させていきたい。

                  

 ■フジテレビ商品研究所

 「企業」「マスコミ」「消費者」をつなぐ専門家集団として1985年に誕生した「エフシージー総合研究所」内に設けられた研究機関。「美容・健康・料理」「IPM(総合的有害生物管理)」「生活科学」の各研究室で暮らしに密着したテーマについて研究している。

 http://www.fcg-r.co.jp/lab/