【遊技産業の視点 Weekly View】企業が為すべきは競争ではなく“共創”


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 □マルハン北日本営業統括部部長・笈川満

 日本生産性本部が発行する「レジャー白書」のデータによると、遊技参加人口は2004年で1790万人、17年で900万人と、まさにその減少率は49.8%となっている。一方、日本の全人口の減少率を見ると、04年に1億2784万人であったのが、直近(こちらは18年の数値だが)で1億2642万人とマイナス傾向にはあるものの、その減少率は1.2%にとどまる。

 単純に娯楽がどんどん増えていること、人々の嗜好(しこう)が多様化したことなど、さまざまな付加要因はあるにせよ、人口の自然減少率を大幅に上回る参加人口のマイナスは、これまでの業界の行いがユーザーを離反させてしまったことに否定の余地はない。

 確かに、企業は利益を生まなければならない。だが、ドラッカーの言葉にもあるように、企業活動の目的は利益ではなく、顧客創造にある。さらにいえば、企業の利益は事業を成長・発展させ、企業が社会の役に立ち続けるために必要な条件との捉え方もある。われわれパチンコホールのみならず、メーカーや商社などを含めた全ての関連企業が、このような認識で企業・産業の健全な成長を目指すことができていれば、ここまでの市場シュリンクを招くことはなかったと悔やまれる。では今後、われわれは何を目指し、どこに向かって舵(かじ)を切っていけばよいのだろうか。もちろん、企業、従業員、お客さま、全てのステークホルダーにとって、市場が活況を取り戻すことが望ましいのだが、これを実現するためには今後、われわれは業界として新たな提供価値、価格を設定し、社会的責任を果たすべく業界課題を解決し、同時に“世のため”になる活動に積極的に取り組むことで社会全体の活性化を図る必要がある。

 これは何も遊技業界に限ったことではなく、過去、1つの商売が持続可能な成長を遂げる産業として進化していくに当たって皆、同じような道をたどっているように感じる。遊技業界も例外ではなく、これから先に向けてわれわれは、競争を優先して市場を疲弊させるマイナススパイラルから脱却し、共創の姿勢で遊技産業に新たな魅力を生み出し、企業および産業の社会における価値化を図っていかなければならない。

                  

【プロフィル】笈川満

 おいかわ・みつる 1971年生まれ。東京都出身。中央大学経済学部卒業後、株式会社マルハンに入社。営業、人事、経営企画、購買、営業本部などを経て2018年4月、北日本営業統括部部長に着任、現在に至る。