キリンHD、「プラズマ乳酸菌」海外展開へ 健康・未病提案型企業に転換

 キリンホールディングス(HD)が、基本経営方針を現在の「総合飲料事業会社」から「健康・未病提案型企業」に転換することが9日、分かった。2019年からの3カ年の新中期経営計画で打ち出し、人体の免疫機能を強める効用をもつ「プラズマ乳酸菌」関連事業を本格的にグローバル展開する。これを核に健康・未病関連事業を1000億円規模に育成する将来ビジョンも掲げる。

 18年12月期を最終年度とする現在の中期計画は、海外などの低収益事業の見直しを課題としていたが、ブラジル事業からの撤退などで達成にめどがついたことから、成長路線への転換を進める。

 新計画は「酒類・飲料など食領域での収益力強化」「医薬品事業の成長」「医と食をつなぐ領域の事業立ち上げ」の3つを柱とする。

 酒類や清涼飲料水など総合的に飲料を手がける一方、傘下の協和発酵キリンの医薬品事業やバイオ・発酵技術を生かし、特に健康・未病提案の事業を伸ばす。磯崎功典社長は「世界的にみてもユニークな企業の特性」があるとし、健康・未病提案への潜在力に自信をみせる。

 新たな成長路線の鍵を握るのがプラズマ乳酸菌だ。プラズマ乳酸菌は、ウイルスの感染リスクを減らすことでインフルエンザや風邪をひきにくくなることが学術的に確認できているといい、健康維持に役立つと期待される。現在は国内での展開にとどまり、関連事業の規模は数十億円レベルだが、米国やアジアなど海外に事業を拡大し売上高を200億~250億円規模に引き上げる考え。

 今年7月には米国の中堅サプリメント会社、ソーンリサーチ社への出資を発表しており、まずはソーン社を通じて、米国でプラズマ乳酸菌関連のサプリ商品の販売に乗り出し、世界展開の足がかりとする戦略だ。