独自通貨でコミュニティーを活性化する 今注目のサービス「fever」とは? (3/3ページ)

 現金でやり取りをしてしまうと現金がコミュニティー外に流出してしまうのだ。例えばコミュニティー内でイベントを立ち上げてその報酬として現金を得る仕組みになると、メンバーはそこで得た現金を別のところで使える。

 そうなるとコミュニティーで生まれたパワーが外に流れてしまう。コミュニティーで得た報酬をコミュニティー内で使うことにより、あらゆるものの流動化が進み、結果的にコミュニティーがより活性化していく。イベントを立ち上げて得たコインを使い、コミュニティー内で仕事を誰かに手伝ってもらい、コインで報酬を支払うといったサイクルだ。

 また独自通貨でやり取りをすることにより、現金では値段をつけづらいものでも価値をつけることができるのだ。

「例えば、『愚痴を30分聞く』とか『恋愛相談に15分乗る』とかそういったものには、これまであまり価値がつけることができませんでした。けれどもそういった行動にも必ず『価値』はあるはず。現金では価値をつけづらかったことも、コミュニティー通貨を活用すればまだまだ新たな価値付けができると思うんです」(今田さん)

▼リリース半年で200を超える企業や団体が導入

「fever」では現在、全国25店舗に広がるコワーキングスペース(勉強カフェ)やプログラミングスクール(tech boost)などを活用している。

 コミュニティーメンバーの行動を増やし、さらにはメンバー同士を繋げることでコミュニティーをより活性化していくことが狙いだ。以前にコミュニティーを運営していたノウハウや、200を超える活用実績を元に、コミュニティー活性化のサポートも実施している。

 なお、すでに海外への挑戦も開始しており、今後コミュニティー数を1年で1000まで増やすのが目標だ。

「コミュニティーの活性化を後押しできるようなサービスとして成長し、世界中にあるコミュニティーのプラットホームを担っていきたいです」(今田さん)(ジャイアント佐藤/5時から作家塾(R))

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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