【高論卓説】再生の鍵握る事業が見えない東芝 画期的な技術・商品開発に知恵絞れ (1/2ページ)

東芝のロゴマーク(宮川浩和撮影)
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 元銀行員らしい手堅い中期経営計画だった。再建途上にある東芝は8日、2018年9月中間連結決算と23年までの5カ年の中期経営計画「ネクストプラン」を発表した。計画の柱は、(1)リスクを抱えた事業の売却・清算(2)人員削減などのコスト削減(3)事業の成長戦略-の3つ。中でも最大の懸念材料とみられていた米国の液化天然ガス(LNG)事業「フリーポート」を売却し得たことは、率直に車谷暢昭最高経営責任者(CEO)の手腕と評価すべきだろう。(ジャーナリスト・森岡英樹)

 売却にあたり東芝は「フリーポート」に親会社保証を入れる一方、購入する中国の「ENNエコロジカル・ホールディングス」も信用補完として5億ドルの銀行保証状を東芝に差し入れる。当初、本命視された米ガス大手のテルリアンや石油メジャーへの売却ではこれだけの条件は引き出せなかっただろう。東芝は一時金費用としてENNに約930億円を支払うが、今後20年間で最大1兆円の損失リスクから解放される。

 また、買い手が見つからなかった英国の原発建設事業「ニュージェネレーション」は解散する。150億円の損失が見込まれているが、これら過去の「負の遺産」を一挙に清算した意味は大きい、新生東芝の「生みの苦しみ」と捉えるべきか。

 再生は社員にも負担を強いる。中計では1400人の希望退職を含め、今後5年間で7000人の人員を削減する。人員減の大半は定年退職者が占めるが、全社員の5%に相当する削減は苦渋の決断だ。東芝を去る社員の心中は察して余りある。経営陣は死ぬ気で再建に取り組まなければならない。

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