佐賀県が約7年かけて開発したイチゴの新品種「いちごさん」が15日、初出荷された。新品種の開発は、現在の県の主力品種「さがほのか」以来20年ぶり。出荷量がピーク時の約6割に落ち込む中、県は産地復活の起爆剤にしたい考えだ。
佐賀市三瀬村の農園ではこの日、夜明け前からイチゴを一つ一つ手で摘んで収穫し、パック詰めをした。生産者の平川乙次さん(71)は「切り口まで真っ赤で甘さと酸味のバランスも良い。(福岡県の高級品種)あまおうに負けないおいしさだ。全国的なブランドになってほしい」と期待を込めた。
県は2010年からJAさがなどと新品種の開発を始め、約1万5千株から選定した。さがほのかより赤色が濃く鮮やかで、甘くみずみずしいのが特徴だ。10アール当たりの収量も、さがほのかより2~3割多いという。
今シーズンは166戸の農家が栽培し、出荷量は約900トンを見込む。21年までに順次、さがほのかから新品種に切り替えていく。