地銀に忍び寄る赤字常態化 宮野谷・前日銀理事、新たなリスク警鐘 (1/3ページ)

 前日本銀行理事の宮野谷篤氏は、長期化する低金利環境下で一段の経営努力がなければ、今後赤字に陥る地域金融機関が増え、抜け出せなくなる時期が遠からず訪れると予想する。信用秩序維持政策担当の理事を5月に退任後、初めてインタビューに応じた。

 宮野谷氏は、地域金融機関の当期最終利益は相応の水準にあるが、低金利で収益力が落ちる中、株式の益出し余力が減っており、ショックの有無にかかわらず「赤字の金融機関は今後増えてくる」と指摘。「自己資本比率は相応に高いが赤字というのが多分、それほど遠くない時期に常態化する」と語る。預金者がどう反応するか未知数で、金融システムは「新しいタイプのリスクの世界に入っていく」とみる。

 景気悪化でコスト増

 金融庁の報告書によると、低金利環境の継続に加えて人口減少や高齢化の進展などもあり、地域金融機関の経営環境は年々厳しさを増している。2017年度決算では地域銀行106中54行は貸し出しや手数料ビジネスによる本業利益が赤字。このうち23行は5期以上の連続赤字だった。

 宮野谷氏は「金融機関の自己資本比率が明確に低下基調となっている」とも指摘。金融機関は貸し出しを増やしているが、リスクに見合った金利を取れておらず、自己資本を上回るペースでリスク資産が積み上がっている。景気拡大の長期化で、企業倒産などに備える信用コストはほぼゼロに低下しており、景気が悪化すれば同コストの増大で「赤字が大きくなる可能性が非常に高まっている」と言う。

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