和歌山・白浜にIT企業続々 いったい何が起きているのか (2/3ページ)

サーフショップをイメージした「サブライム」の白浜事務所=和歌山県白浜町
サーフショップをイメージした「サブライム」の白浜事務所=和歌山県白浜町【拡大】

  • 企業の保養所を改修した白浜町ITビジネスオフィスからは太平洋が一望できる

 入居にあたっては県から補助金が出るため、約100平方メートルのオフィスの家賃は「六本木の駐車場程度」(松岡執行役員)。東京と比べて格段に広いスペースを確保できるため、子供を連れて出勤し空いたスペースで遊ばしておくことも可能という。

 「都会よりも通勤時間は短く、疲れたら公園を散歩してリフレッシュできる。働くには最高の場所です」と男性社員(37)。同社は事務所の業務を拡大し、人数も2年後には15人程度に増やすことを検討している。

 米企業誘致が起爆剤に

 こうした企業誘致は、町が平成16年、民間企業から買い取った保養所を整備し、貸事務所(7室)を開設したのが始まりだった。しかし、入居した2社が数年で撤退すると、5年以上、全室が空室状態と苦境が続いた。

 変化が訪れたのは27年。総務省のテレワーク推進の地域実証事業の委託先に採択されたことで、米IT企業の日本法人が入居。電話やメールで顧客に連絡し、新規案件を受託する新しい働き方が注目を集めた。

 後を追うように、同社の取引先企業も進出し、1年後にはオフィスは満室に。県の担当者は「IT業界では複数の企業が協力して事業を展開することが多く、良い呼び水になった」と振り返る。

 地域実証事業では、東京でオフィスを構えていた時に比べ商談件数が11%、契約金額が63%増えたことが判明。通勤時間が減り、地域との交流や余暇の時間が増えるなどの効果も実証された。

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