日産、3年後にEV向け部品調達を中国現地化へ

 日産自動車で中国事業の責任者を務めるホセ・ムニョスCPO(チーフ・パフォーマンス・オフィサー)は、中国での電気自動車(EV)生産で、主要部品を現地調達する方針を示した。3年以内にモーター、インバーター、変速機を現地でつくるか、現地で生産された部品を使う。また、中国での需要増に備えるために現地に新工場の建設を検討していることも明らかにした。16日までに横浜市内で産経新聞などの取材に応じた。

 日産は8月に日系メーカーで初めて中国でEV生産を始めた。主要部品の調達元は公表していないが、一部は日本などから輸入しているとみられる。EVの生産台数が増えれば中国国内で生産・調達した方がコストを抑制できるようになるため、生産態勢の現地化を進める。

 日産は2022年に中国販売を17年より約71%多い260万台に増やす目標を掲げているが、これを実現するには生産能力の増強が不可欠だ。ムニョス氏は「既存工場の生産能力を増強するほか、新工場を構えて対応することを検討している」と述べた。建設予定地などの詳細は言及を避けた。

 ただ、中国の自動車市場はここ3カ月間、落ち込んでいる。ムニョス氏は「米中貿易摩擦の影響は明らかにある」と懸念を示した。一方で、「中国経済の底堅さや、自動車市場が進化していくことについては自信がある」と、中長期的には成長が続く見通しを強調した。(高橋寛次)