【経済インサイド】「司法判断」揺れる原発 電力会社の経営、政府方針に影響も (2/3ページ)

四国電力伊方原発3号機=10月27日午後、愛媛県伊方町(共同)
四国電力伊方原発3号機=10月27日午後、愛媛県伊方町(共同)【拡大】

  • 報道陣に公開された四国電力伊方原発3号機の中央制御室=10月27日午前、愛媛県伊方町(代表撮影)

 電力業界の関係者によると、全国で係争中となっている原発の運転差し止めを求める訴訟や仮処分申し立ては30~40件程度という。伊方3号機についても、同種の仮処分は高松高裁や山口地裁岩国支部など複数の裁判所でなお係争中だ。

 原発の再稼働や運転と司法判断について、電気事業連合会の勝野哲会長(中部電力社長)は10月19日の定例記者会見で「(東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえて策定された)新規制基準への適合はもちろんだが、規制以外の安全性向上の取り組みも含め、しっかりと事業者(電力会社)の取り組みを説明していくことが必要だ」とした。

 一方、ある電力会社の幹部は「司法判断が裁判長によって変わってしまうことが見受けられる。こうしたことは『原子力ムラ』ではリスクとして受け止められている」と指摘。伊方3号機をめぐっても、昨年12月に広島高裁が運転差し止めの仮処分命令を出した際は野々上友之裁判長(当時)だったが、今年9月に同高裁がこれを取り消す決定を出して再稼働を認めた際は三木昌之裁判長だった。

 この幹部は「(電力会社側の主張が認められる)判例を積み上げることが重要になってくる」と話す。

 原発の再稼働をめぐる政府の方針にも影を落としかねない。今年7月に改定されたエネルギー基本計画では、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合は「その判断を尊重し原発の再稼働を進める」とした。これまで新規制基準のもとで再稼働したのは5原発9基。政府は2030年度の電源構成に占める原発の比率を20~22%に引き上げる目標を掲げるが、達成には30基程度の運転が必要とされ、なお遠い。

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