アパレル余剰在庫、売買で業界問題解決 フリマサイト「スマセル」運営のウィファブリック (1/2ページ)

インタビューに応じるウィファブリックの福屋剛社長=大阪市西区
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 衣料品の余剰在庫や廃材、残糸などを企業間売買できるフリーマーケットサイト「スマセル」を運営するウィファブリック。社是は、次々に企画・生産され、売れ残れば大量に廃棄される繊維製品の無駄をなくすこと。「アパレル業界の問題解決会社を目指す」と訴える福屋剛社長に、事業の現状と展望を聞いた。

 予想以上のニーズ

 --ウィファブリックを起業したきっかけは

 「繊維商社に勤めていた頃、商品を企画・販売する中で、売れ残った商品を大量処分する現場を目の当たりにした。こうした現状を変えるためのブランドを立ち上げたいというのが創業のきっかけ。当初、廃棄寸前となった糸や生地を買い取り、バッグやタオルといった商品に再生させるブランドを展開する中で、『うちの糸も買い取ってもらえないか』というような要望が増えたことで、在庫を割安価格で市場に流通させるスマセルのプラットフォームを思いついた」

 --余剰在庫や廃材をマッチングするスマセルは昨年7月に立ち上がった。現在、どのような事業者が登録し、どのような売買が行われているのか

 「登録事業者数は現在、約3000社に上っている。出品者にはアパレルメーカーや商社、通信販売会社が名を連ねていて、バイヤーは百貨店やリサイクルショップなどが登録している。出品総額は常時、定価で20億円ほど。1回当たり30万~40万円で売買が成立するケースが多いが、大きい案件では数百万円単位になる。最近ではアパレル大手が出品した女性の衣料品の余剰在庫が、大手のリサイクルショップに1000万円程度で売れたケースもあった」

 --サイト立ち上げから約1年4カ月で登録者数が急激に伸びた背景をどう考えるか

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