【経済インサイド】経営者の創業ストーリーを舞台化、企業の広報宣伝に新手法 (2/3ページ)

舞台装置を使わずにオフィスで働くようすを表現する劇団SPINNINRONINの公演=東京都千代田区
舞台装置を使わずにオフィスで働くようすを表現する劇団SPINNINRONINの公演=東京都千代田区【拡大】

  • モデルとなったイオレの吉田直人社長(左)と企画したムーブメントプロデューサーの波房克典氏=東京都千代田区
  • 創業Xを舞台化した劇団「SPINNINRONIN」の加世田剛、榎本鉄平の両代表
  • 昼夜2回の公演に計331人の観客が訪れた=東京都千代田区
  • 普段とは異な男性会社員の姿が目に付いた=東京都千代田区

 舞台化したのは劇団「SPINNIN RONIN(スピニンローニン)」。舞台上で大道具・小道具といった舞台装置を極力使わずに大胆なアクションやダンスで表現し、主に30~50代の働く人を中心とした層から支持されている。波房さんが以前から同劇団のファンであったことから企画を持ちかけた。同劇団を運営するKEコーポレーションの榎本鉄平代表は、魅力を感じ「おもしろそうだからやろう」と引き受けた。同時に経営上のメリットにも目を向けた。劇団経営は基本的にチケット販売が売り上げのほとんどを占め、作品の観客動員によって売り上げが激しく上下する。しかし企業を相手にすれば広報宣伝費として見積もりに対して決まった額が支払われ、観客の動員やチケットの買い取りなども期待できるので、売り上げの目途が立ちやすい。榎本代表は「劇団経営安定化のため、新しいビジネスモデルとして確立させる」と新規事業と捉えて取り組んだ。

 9月7日に東京・半蔵門のTOKYO FMホールで、午後2時と午後7時の2回、各2時間の公演が行われ満員の計331人を集客した。普段は女性が目立つ客席だが、男性が7割ほどを占めて新しい客層が開拓された。

 見終わった人からは「社長とはいえ著名人ではなく、一般の人の半生を舞台にしておもしろいのか半信半疑だったが感動した」(30代会社員男性)、「会社の成り立ちやビジョンがすんなりと分かり、新しい広報の手法を学ぶことができた」(30代自営業女性)、「社員や取引先などに対し効果的な広報の方法だと思った」(40代会社員女性)といった感想が聞かれ、会社の認知度向上のための広報宣伝として大成功した。

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