【スポーツbiz】「スーパー2」に該当か 新人王獲得、大谷翔平の年俸を考えてみた (2/3ページ)

米大リーグの新人王を獲得したエンゼルスの大谷(リョウ薮下撮影)
米大リーグの新人王を獲得したエンゼルスの大谷(リョウ薮下撮影)【拡大】

 大リーグには、選手が走・攻・守合わせてどれだけチームの勝利に貢献したかを評価する「WAR(Wins Above Replacement)」と呼ばれる指標がある。大谷の今季のWARは、投手1.2、打者2.7と評価された。

 米国のデータサイト「ファングラス」は、WAR1.0を800万ドルとして計算、この数字から年俸を差し引き、選手の貢献を金額で現している。それによると、総合WAR3.9の大谷は3120万ドルとなり、そこから54万5000ドルを引いた約3065万ドルの貢献だったことが分かる。エンゼルスは極めて“お得な買い物”をしたと数字が教えてくれた。

 余談ながら、権利拡大に熱心な大リーグ選手会がなぜ、こんな労使協定を結んだのか。背景にはキューバ選手の獲得競争激化による契約金高騰が球団財政を脅かし、加えて大リーグで実績のない外国人選手の巨額契約に選手間の不満があふれていた事情があった。大谷は“ガス抜き”に直面したわけだ。

 夢は「二刀流」復活

 ふつう、大谷が活躍に見合う年俸を獲得できるようになるのはメジャー在籍3年を経た後。年俸調停権を得て複数年契約を含む大型契約も可能となる。

 例外がないわけではない。サンフランシスコ・ジャイアンツのエバン・ロンゴリア内野手は2008年、マイナー契約から大リーグに昇格した6日後、当時所属のタンパベイ・デビルレイズとの間で6年総額1750万ドルの契約を結び、大きな話題となった。大谷がそうした契約を結ぶ可能性は否定できないものの、相当に低いと思われる。むしろ、年俸調停権を1年前倒しできる「スーパー2」に該当する可能性は高い。

 スーパー2とはメジャー在籍2年以上、3年未満の選手を対象に、(1)前年のアクティブロースター(メジャーの試合に出場できる枠)登録86日以上、(2)メジャーの在籍累計が上位22%以内である選手に与えられる。

指名打者なら…