その一つが、モーターが比較的小さいマイルドHVだ。SUBARU(スバル)は、同社の世界最良販車であるスポーツ用多目的車(SUV)「フォレスター」に、マイルドHVを設定。排気量2.0リットルの水平対向エンジンとモーターを組み合わせた。担当者は、「力強い走りを実現し、悪路での走破性も強化した」と話す。搭載されているのは価格の高い上級モデルだが、新型フォレスターの販売の45%を占めるという。
マツダは、11月末に米国で開幕するロサンゼルス自動車ショーに、全面改良した「マツダ3(日本名・アクセラ)」を出展する。新型エンジン「スカイアクティブX」とモーターを組み合わせたマイルドHVで、来年発売する予定だ。
そして、最も勢いがあるのが日産の小型車「ノート」などに搭載されているeパワーだ。エンジンを発電用に使う「シリーズハイブリッド」に分類される。ノートは今年度上期(4~9月)の新車販売台数が軽自動車を除く新車販売台数で首位だったが、その原動力となったのがeパワー人気だ。モーターで走るため静かで、低速からスムーズに加速する乗り味の評価が高く、ノート購入者の約7割が選んでいる。
今年に入り、日産はミニバン「セレナ」にeパワーを追加。新たに投入されたトヨタの高級車「レクサス ES」「クラウン」、小型車「カローラスポーツ」、ホンダのSUV「CR-V」には、いずれもHVモデルがある。輸入車でも、動力性能を引き上げた独メルセデス・ベンツの「AMG53」シリーズや独アウディの高級セダン「A8」でマイルドHVモデルが設定された。