日本発!起業家の挑戦

友人と加入も、ITが変える保険開発 ジャストインケースのCEOに聞いた展望 (1/2ページ)

 保険業界はイノベーションに対する抵抗がかなり強い。数百年変化の見られない業界と言ってもいいかもしれない。もちろん保険の販売方法や管理法は変わったが、保険を買う消費者から見れば100年前とあまり変わっていない。

 その現状を変えようとしている人たちがいる。保険業界をITで変えていこうという取り組みはインステックまたはインシュアテックと呼ばれ、フィンテックの最後の砦(とりで)として海外では起業が相次ぐ。畑加寿也最高経営責任者(CEO)率いるjustInCase(ジャストインケース、東京都千代田区)では、スマートフォンのアプリを通じて少額保険サービスを提供する。スマホが故障した際に修理費用を補償する「スマホ保険」では、スマホの使い方をモニターして、丁寧に使っていると判断されれば保険料の割引が適用される仕組みを取り入れている。

格安SIMや中古照準

 --スマホ保険は、毎月保険料を支払ってスマホの故障を補償するサービスですね

 「はい。保険料は月400~900円台です。通信キャリアが提供している『安心パック』と呼ばれるようなサービスはスマホの購入と同時に入らなければなりませんが、スマホ保険はいつでも簡単にスマホのアプリを使って加入できます。現在対象にしているのは5S以降のiPhoneです」

 --仕組みを教えてください

 「システムのコアになるのはジャストインケースのアプリです。アプリを使ってスマホの使われ方、扱われ方をモニターし、AI(人工知能)技術でそれを分析します。リスクの高い方法でスマホを扱っていれば安全スコアが低くなります。スコアによって更新時の保険料の割引額が決められます」

 --何をモニタリングするのですか

 「アプリで利用者からの同意が得られたら、ジャイロ加速度センサー、歩数、利用者が毎日繰り返す手順(活動量)を追います。その情報を全加入者のデータに照らし合わせることで、保険料が決まるわけです」

 --誰をターゲットにしたサービスですか

 「法人向けというよりは消費者向けです。どなたにも契約していただきたいと思いますが、特に格安スマホ利用者をターゲットにしています」

 --なぜ市場の大きい大手キャリアではなく格安スマホの利用者を

 「格安SIMに移行する人は中古のスマホを持っている可能性が高いんですよ。私たちの保険は中古スマホも対象ですが、キャリアの保証ではほぼ新品しか対象になりません」

 --このビジネスモデルで最も克服が難しいのは、保険に加入する前にまずアプリをインストールさせなければいけないところだと思うのですが

 「確かにそうですね。インストールしてから加入というステップを踏ませるのが難しい挑戦であることはわかっています」

 --一方、スマホ購入者は、キャリアからスマホを実際に受け取る前にキャリアやアップルの延長保証サービスにすでにお金を払ってしまっていることも多いのでは

 「格安スマホの利用者が私たちにとって大切な顧客であるもう一つの理由がそれです。格安スマホ利用者はキャリアの保証を購入していない可能性が高いからです。また、私たちの販売戦略で重要な部分を占めているのがスマホ保険のソーシャルな側面です」

 --詳しく教えてください

 「日本の保険法では、保険料負担において全加入者が平等でなければならないという公平の原則があります。加入者の事故の発生確率によって保険料が変わる仕組みが必要になります。私たちは保険をソーシャルにすることによってそれを達成したいと考えています。ソーシャルにすることでアプリをインストールして保険に加入した後もアプリを開いてもらえるので、データを集められます。スマホ保険に友人らとグループで加入してもらい、グループの誰もスマホを雑に扱わず、保険金の請求もしなかった場合はグループ全員が割引を受けられるようにするといった仕組みを検討しています」

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