【福岡発 輝く】キューサイ 青汁愛飲者、若年層の掘り起こし手応え (1/2ページ)

島根県益田市の自社グループ農場。手作業で高品質のケールを栽培する
島根県益田市の自社グループ農場。手作業で高品質のケールを栽培する【拡大】

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 中年男性がグラスの鮮やかな緑色の液体を一気に飲み干し、顔をしかめて「まず~い、もう一杯!」としゃがれ声で言うテレビコマーシャルが強烈な印象を与えるキューサイの青汁。自虐的にアピールしたことで、逆に視聴者に「面白い。飲んでみよう」という気にさせて、一気に人気商品の仲間入りを果たすとともに、パイオニアとして青汁市場を開拓した。

表参道に限定カフェ

 個性的なテレビコマーシャルが放映され始めた1990年から30年近くになる。キューサイは青汁を世の中に定着させ、大手メーカーの一角を占めるまでに成長した。一方、老舗として地位を築くとともに愛用者の高齢化も進んだことで、中高年の飲み物というイメージが出来上がり、次世代の消費者獲得に苦労するようになる。

 2017年2月に就任した神戸聡社長は、すぐに若年層向けの施策に着手する。「20~30代の人は青汁を知らない人も多い。良さを知ってもらいたい」と、その年の6月に流行の発信地である東京・表参道に期間限定で「キューサイ ケール カフェ表参道」をオープンし、青汁を使った特別メニューを無料で提供した。

 ブルーベリーヨーグルトとのブレンドといった創作ドリンクが若い女性を魅了。10日間に約1万人が来店した。今年も6月下旬から7月上旬にかけて同じ場所に10日間出店し、「今年も来ました」というリピーターが来店したほか、20代後半から30代の働く女性を中心に昨年を上回る約1万1000人が訪れた。次世代の愛用者掘り起こしは始まったばかりだ。

 キューサイは1965年に菓子製造販売会社として創業し、後に冷凍食品製造業に参入した。創業者が体調を崩した78年ごろ、アブラナ科の野菜「ケール」の搾り汁がビタミン、食物繊維、ミネラルを豊富に含むことを知り摂取するようになる。健康を回復し効用を体感したことから、ケールを原料とする「青汁」を冷凍食品技術を生かして「キューサイ青汁」の販売を82年から始めた。

 しかし独特の苦みがあり、お世辞にもおいしいとは言えない商品の売れ行きは芳しくなかった。無料でサンプルを配布するなど、地道に市場へ浸透させる努力を重ねてきたなかで、ターニングポイントとなったのが「まず~い、もう一杯!」のテレビコマーシャルだ。これが話題を呼び、全国に広がることになる。

サプリなど新商品も

 原料となるケールは主に島根県益田市の自社グループ農場のほか、全国各地の契約農家で栽培している。農薬も化学肥料も使用しない。虫が付きやすいので自社グループ農場では、人が葉を一枚ずつめくって手で取り除く。収穫も全て手作業で、良質なケールを安定的に生産している。

 後に商品ラインアップも充実させ、蜂蜜入りやフルーツ果汁入りなど、体に良い上に飲みやすさも追求したことで、愛用者の裾野も広がっている。

 青汁以外の新たな食品も手掛ける。12月には海藻由来のアルギン酸塩を主成分とする塩分吸着サプリメント「シオナガス」を発売する。アルギン酸塩が塩分を吸着して体外に排出する。日本人の平均的な塩分摂取量は世界基準の約2倍となっており、減塩が国民的課題であることから開発した。和食は塩分を豊富に含み、減塩は簡単ではない。しかし、シオナガスを取れば減塩を気にすることなく、料理を楽しめる。神戸社長は「青汁を軸にして、健康のための新商品開発を続けていく」考えだ。(佐竹一秀)

【会社概要】キューサイ

 ▽本社=福岡市中央区草香江1-7-16

 ▽創業=1965年10月

 ▽資本金=3億4900万円

 ▽従業員=536人(2017年12月末時点)

 ▽売上高=297億3700万円(17年12月期)

 ▽事業内容=ヘルスケア商品、スキンケア商品などの製造販売

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