福島の被災地にロボットカー 初の公道走行実験 帰還者の足に

公道を使った自動運転試験でJR浪江駅前を出発する車=3日、福島県浪江町
公道を使った自動運転試験でJR浪江駅前を出発する車=3日、福島県浪江町【拡大】

 東京電力福島第1原発事故からの復興を目指す福島県浪江町で3日、自動運転自動車の初の走行実験が行われ、JR浪江駅から浪江町役場までの公道を往復約2キロ走行した。周辺の浜通り地区は、産業復興に向け「ロボット実証区域」に指定されており、高齢者が目立つ帰還住民の買い物や通院用の足として、実用化に向け研究開発を進める。

 実験は、福島トヨペット(郡山市)とアプリケーション開発の会津ラボ(会津若松市)が共同で実施。ロボットベンチャーのZMP(東京都文京区)が開発したロボットカーの屋根の上にレーザー光を使ったセンサーを置き、車内にカメラを搭載、障害物や信号の色などを認識する。

 片道約1キロのコースを時速20キロから30キロで走りながらウインカーを出して曲がり、赤信号では正確に止まった。会津ラボの担当者によると、天気や時間帯による状況の違いや飛び出しなどへの対応が今後の課題。試験で集めたデータを解析し、改良につなげる。

 浪江町では昨年3月、一部で避難指示が解除されたが、住民の帰還は進んでいない。公共交通機関の自動走行化は町の悲願でもあり実験地に選ばれた。県ロボット産業推進室は「運転手不足と帰還者の運送手段確保は、浜通りの市町村に共通した課題。解決への有効な対策になれば」と期待を寄せている。