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医療機器ビジネス、始め方は 多くの参入障壁、産学連携で解決を (1/2ページ)

 医療機器業界は「将来有望」と言われる。厚生労働省の薬事工業生産動態統計によると、2015年の国内市場規模は2兆7000億円超で、00年初頭からほぼ一貫して増加傾向にある。多くの上場企業の中期経営計画に医療、ヘルスケアの文字が躍る。では新たに医療機器ビジネスに乗り出すにはどうすればよいのか。一つの方法として大学病院との共同研究を勧めたい。(Kompath代表取締役CEO・高橋遼平)

 医療機器業界で事業を始めるには障壁が存在する。

 第1に業界内での競争の激しさが挙げられる。自社ブランドで医療機器を販売する医療機器製造業者は約2500社あり、その機器製造を受託する製造業者も約4000社ある。これらに医療機器の部品製造業者は含まれず、サプライチェーン全体を考えると企業数はさらに多くなる。結果として、収益性の高い医療機器事業開発には強い差別化要素が求められる。

 第2に法規制が挙げられる。最も代表的な法規制として、薬機法と呼ばれる「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」があり、医療機器の品質管理や広告に関し制約と抵触時の罰則が存在する。

 第3に、マーケティングの難しさが挙げられる。医療機器の多くは医師が用いるのであり、そのニーズを把握する際はもちろん、開発プロセスにおいても医師の関与が不可欠だ。大学病院との共同開発を勧めるのは、これらの障壁を乗り越えられる側面が大きい。

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