日産、新たな検査不正判明 ブレーキなど複数項目、リコールも視野

横浜市の日産自動車本社
横浜市の日産自動車本社【拡大】

 日産自動車で、新車の出荷前の検査に関わる新たな不正が見つかったことが6日、分かった。ブレーキなど複数の項目に関わる可能性があり、対象車のリコール(回収・無償修理)の届け出を視野に入れている。前会長のカルロス・ゴーン容疑者が逮捕され、出直しを模索する新経営体制に打撃となる。昨年から相次ぐ検査不正を受けて打ち出した再発防止策が機能しなかったことは明らかで、生産管理の甘さが厳しく問われるのは必至だ。

 日産の広報担当者は不正の対応に関し「国土交通省と調整している」と説明している。関係者によると、不正は日産の社内調査で発覚したとみられる。

 11月19日には東京地検が金融商品取引法違反の疑いでゴーン容疑者を逮捕した。西川(さいかわ)広人社長は、企業統治の強化や役員報酬に関する委員会の設置などで体制の立て直しを目指していた。

 日産は昨年9月に国の規定に反した新車の無資格検査問題を公表した。その後も規定違反が続いたため、生産を一時停止して再発防止策を取った。しかし、今年7月には、燃費などの測定結果のデータ改竄(かいざん)や、無効な試験結果を有効として処理する不正があったと発表した。9月には最終的な原因分析と再発防止策を国に報告していた。

 不正を調査した弁護士らによる最終報告書によると、検査不正は2000年代には常態化していた。ゴーン容疑者が経営トップに座った時期と重なる。