経営

大手管理職、広がるD&I研修 理解を深め部下への「無意識の偏見」を克服 (2/2ページ)

 三井住友海上は今年度からの中期経営計画で、環境変化に対応する人財戦略を重点課題の一つに掲げており、D&I研修は「多様な社員全員が成長し、活躍する会社」づくりに役立つとみる。

 三井住友海上が研修に採用したeラーニングツール「ANGLE」は経営コンサルティング会社、チェンジウェーブ(東京都港区)が開発した管理職向けの無意識の偏見に関する教材。この教材は6月の提供開始から既にアシックスなど大企業10社が活用し、数十社が導入を検討しているという。

 また、大手損保では東京海上ホールディングス(HD)もD&I研修の取り組みを始めている。11月12日に傘下の東京海上日動火災保険などグループの部長・支店長約110人を東京の本店に集め、部店長向けに初のD&I研修を実施した。

 研修会の冒頭、東京海上HDの永野毅社長は「D&Iの推進は企業としての価値が生まれ、成長サイクルにつながる極めて重要な成長戦略だ」と述べ、企業風土変革に「各部店トップこそが部店をリードしていかなければならない」と訴えた。

 一方、味の素の取り組みは、大手損保よりさらに進んでいる。3月に取締役執行役員で構成する経営会議のメンバーを対象に無意識の偏見の研修を実施し、来年4月以降は全社員に対象を広げる準備を進めている。

 組織一丸通用せず

 企業がD&Iに取り組むのは事業のグローバル化や女性、高齢者の活用などを背景に、目的に向かって組織が一丸で突き進む日本企業の強みが通用しなくなった面もある。特に歴史が長く経営規模の大きい大企業で顕著とされる。

 日本能率協会が8月に経営者を対象にした「日本の経営課題」調査では、組織・人事面の課題の第7位に「女性活躍・ダイバーシティの促進」が挙げられたが、大企業に限ると課題の第1位だった。

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