【お茶で日本を温かく(5)】異分野との組み合わせで社会貢献 健一自然農園代表、伊川健一 (1/2ページ)

農園を手伝ってくれる妹夫婦と談笑する伊川健一さん(右端)。これからもお茶作りでの社会貢献を推し進める(渡辺恭晃撮影)
農園を手伝ってくれる妹夫婦と談笑する伊川健一さん(右端)。これからもお茶作りでの社会貢献を推し進める(渡辺恭晃撮影)【拡大】

 「お茶と教育」「お茶と福祉」など、健一自然農園の代表を務める伊川健一さん(37)はお茶と異分野の融合に取り組んでいる。その行動の原動力となっているのは、自らが長年、作り続けてきたお茶の可能性を信じているからだ。(聞き手・安田奈緒美)

 --健一自然農園を始めて18年目。学校でお茶作りについての出前授業を行ったり、社会福祉施設と連携して障害のある人たちに工場で働いてもらったりと、お茶作りとは違う分野の「教育」や「福祉」にも力を入れています

 伊川 「お茶と教育」「お茶と福祉」「お茶と文化」「お茶と観光」。あらゆる分野との組み合わせが可能で、できることは無数にあると思います。

 --お茶と観光の組み合わせも反響が大きいですね

 伊川 奈良県山添村の農業体験施設「かすががーでん」で講師を務め、茶摘みや煎茶(せんちゃ)作りなどを体験できるツアーを実施してきました。体験ツアーには海外からのお客さまもいて、観光資源としての可能性も感じます。また現在、特に力を入れているのは医療との協業です。

 --お茶と医療ですか

 伊川 野菜や草花を育てることで、精神面で達成感を得たり、身体の健康回復などを図ったりできる「園芸療法」という療法があります。この自然農園に来てもらって、無農薬無肥料のお茶栽培を体験してもらうことが、人の健康に役立つのではないかと、大学の研究室や、会社員のメンタルヘルス対策に取り組んでいる企業などと科学的なデータを集め始めています。さらにこの考えを広げて、茶畑が、不登校の子供たちにとって、ほっとした気持ちで帰ってこられる場所にもできればと思っています。

 --お茶の可能性は無限に広がります

 伊川 緑茶や番茶の販売だけにとどめておくのはもったいない。今、国内では緑茶の需要が多くを占めますが、それを音楽に例えたら、世間はバロック音楽しか楽しめていない感じです。音楽のジャンルとしては、ロックもポップスも、ジャズも、そして邦楽もあるのに。お茶も同様で、さまざまな楽しみ方、活用の仕方があるはずです。

続きを読む