【お茶で日本を温かく(5)】異分野との組み合わせで社会貢献 健一自然農園代表、伊川健一 (2/2ページ)

農園を手伝ってくれる妹夫婦と談笑する伊川健一さん(右端)。これからもお茶作りでの社会貢献を推し進める(渡辺恭晃撮影)
農園を手伝ってくれる妹夫婦と談笑する伊川健一さん(右端)。これからもお茶作りでの社会貢献を推し進める(渡辺恭晃撮影)【拡大】

 --お茶は心と体に効く

 伊川 中国から日本にお茶が伝わったとされる奈良、平安時代から、お茶は“薬”として重宝されてきました。近年ではお茶に多く含まれるカテキンに抗菌作用があることも科学的に証明されています。それだけでなく、身体を温めることが健康に良いとされますが、健一自然農園の主力商品である「三年晩茶」は、特に人の身体を温める力が強い。冬場に栄養をためているお茶の茎を剪定(せんてい)し、刻んだものだからです。冬の根菜が人の体を温めるといわれるように、三年晩茶の茎も心と体を温めます。

 --お茶が日本人を温める

 伊川 多くの人が心身を温めようと三年晩茶を飲むようになれば、全国の耕作放棄地だった場所にもお茶の木が再び茂る。肥料を使わないお茶の木なので里山の生態系が再生して、循環していく。こうやって、お茶が人と森を、日本を温めてくれると信じて活動していきます。=おわり

     

 いかわ・けんいち 昭和56年、奈良県大和郡山市生まれ。健一自然農園代表。平成13年に19歳で自然農園を始め、現在は約12ヘクタールの茶園で農薬肥料を使用しない自然栽培茶を生産し、国内外で販売。農業を通じて環境保護や地域おこしなどに取り組む。