日立、英の原発事業「限界」 安全対策費膨らみ採算見通し厳しく

 日立製作所の会長を務める経団連の中西宏明会長は17日の会見で、日立の英原発の建設計画について、原発事業の採算見通しが厳しくなっているため「(今の枠組みでは)もう限界だと英政府に伝えた」と述べた。

 日立と英政府は英中西部アングルシー島で原発2基の建設を計画。2020年代前半の運転開始を目指していたが、安全対策の強化などで事業費が当初の2兆円から1.5倍の3兆円規模に膨らんだ。

 日立は英原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」の出資比率を100%から引き下げるため、日本国内の電力会社などに出資を呼び掛けてきたが、難航している。中西氏は海外で相次いだ原発の新型炉建設の失敗事例により、建設費増加の懸念につながったとの見方を示した。原発事業に関しては、競合する再生エネルギー価格の動向も踏まえ「民間の投資対象として難しくなった」と語った。