ソフトバンク上場 親子上場の是非は? (2/2ページ)


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  • 東証1部に上場し、セレモニーで記念撮影に臨むソフトバンクの宮内謙社長(中央左)ら=19日午前、東京都中央区の東京証券取引所(松本健吾撮影)

 一方、ベンチャー企業の資金調達手段が限られる日本市場では、親子上場を企業育成のプロセスとして評価する見方もある。

 「親子上場にはインキュベーション(創業支援)効果がある」。一橋大大学院の藤田勉特任教授はそう強調する。過去にもイトーヨーカ堂の子会社だったセブン-イレブン・ジャパンやNTTドコモなどの事例があり、藤田氏は今回も「SBGのビジネスモデル転換が進む」と効果を語る。

 ソフトバンクの宮内謙社長は記者会見で通信障害について陳謝した上、「キャッシュフローの出る事業特性を生かし、株主還元をきちんとしていく」と声に力を込めた。ソフトバンクの健全な成長軌道が、市場で親子上場の評価見直しにつながる可能性を秘めている。(佐久間修志)