米巨大IT課税、EU「壁」に直面 (1/2ページ)


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 欧米やアジアを席巻するグーグル、アマゾン・コムなど米4大IT企業「GAFA」への警戒感は世界で広がっている。欧州連合(EU)は巨額の制裁金を科すなど厳しい対応を率先してきたが、ここにきて「壁」にも直面している。世界に先駆け導入を目指した「デジタル課税」は加盟国の反対で年内合意を断念。実現できるか不透明感も漂ってきた。

 「私はあきらめない」。EUで税制を担当するモスコビシ欧州委員は4日、ツイッターでこう強調した。EUでは欧州委員会が3月に提案したデジタル課税の議論を続けてきたが、同日のEU財務相理事会でも一致できなかったためだ。

 国境をまたぐインターネット取引への課税は世界的な課題。欧州委は国際的な議論がまとまるまでの「暫定」措置として新制度を提案した。加盟国は、自国内に巨大IT企業の拠点がなくても、一定の要件を満たすサービス利用があれば、売上高の3%を徴収できるという内容だ。

 だが、低税率でIT企業を誘致してきたアイルランドなどは反発。規制が強まればIT競争で欧州が不利になるとの懸念もあり、北欧も慎重だ。EUは米国と貿易摩擦を抱える中、米巨大IT企業への課税に対する“報復”を心配する声も上がる。

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