統治不全、日産へ不信感なお 投資家「スキャンダル企業の共通項」 (1/2ページ)

横浜市にある日産自動車の本社ビル前を歩く男性=11月26日(ブルームバーグ)
横浜市にある日産自動車の本社ビル前を歩く男性=11月26日(ブルームバーグ)【拡大】

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長逮捕から約1カ月。投資家らは有価証券報告書への虚偽記載を見抜けなかった同社への不信感が拭えず、株価は低水準にある。ガバナンス(企業統治)が機能しなかった背景には、グローバル企業でありながら経営監視体制の整備が遅れたことやゴーン前会長に意見を言うことができない現状があった。

 ◆指名・報酬委設けず

 「日産はスキャンダル企業となる要素を兼ね備えていた」。ジェフリーズ証券のズヘール・カーン調査部長は、日産の経営体制にかねて警鐘を鳴らしていた。昨年8月のリポートでは、同社が「ガバナンス構築に向けた表面的な改善すらしていない」のは注目に値すると指摘していた。

 企業の不正防止と競争力強化に向けたコーポレートガバナンスコードの運用が始まったのは2015年。以来、多くの企業が社外取締役の採用を進めると同時に、社外取締役からなる委員会設置会社に移行。取締役の選任や解任議案を決める指名委員会や役員報酬を決める報酬委員会を設置してきた。しかし、日産はそのどちらにも対応してこなかった。

 昨年8月時点で、同コードが「2人以上選任すべき」とする独立社外取締役を採用していないグローバル企業はTOPIX採用500社のうち日産1社だけだった。同社はその後、排ガス検査の測定値改竄(かいざん)問題などが明らかになり、今年6月になって元レーシングドライバーと、経済産業省退任後に複数企業の社外取締役を歴任してきた元官僚を登用した。

 カーン氏は、この2人を「経営判断に異議を唱え緊張感が保てる経歴かは定かではない」と疑問視。指名委員会を設置していない点でも、また、ゴーン前会長以外の取締役がほとんど自社株を保有していない点でも、「過去のスキャンダル企業に共通する条件を備えている」と述べた。上場企業は中期的な企業価値向上への貢献を求める意味で、役員の持ち株比率を引き上げる傾向にある。

◆ゴーン氏実績悪影響