【ピックアップ】大遊協財団、留学生招き親睦・交流会

同財団はこれまで延べ386人の奨学生を輩出
同財団はこれまで延べ386人の奨学生を輩出【拡大】

 大阪府遊技業協同組合(大遊協、理事長・平川容志氏)を母体とする公益財団法人大遊協国際交流・援助・研究協会(理事長・高島洋氏)は2日、大阪市中央区のホテルプリムローズ大阪で奨学金援助を行う留学生やOB、大学関係者らを招いた親睦交流会を開催した。

 あいさつで村上昭徳専務理事は、財団設立から27年、当初5人の奨学生からスタートした奨学金援助事業は現在までに20を超える国・地域の延べ386人の奨学生を輩出するまでに至ったと報告。また、出入国管理法の改正により新たな在留資格が創設され、来春から働くために来日する外国人が増える見通しであることに触れ、「このような時こそ、国際交流に基づいた相互理解が求められる。当財団が支援する奨学生の8割は卒業後、日本で就職している。グローバル化の波は日増しに進み、皆の活躍の場は増えている」と強調。国の垣根を越えた社会を創造すべく、その架け橋となるよう期待を寄せた。

 交流会では日本医師会認定産業医である富永なおみ医師の講演や大阪府警察本部府民安全対策課の生活安全指導班による防犯教室、卒業生のスピーチが行われた。講演で富永医師は「心もからだも ハツラツ!」をテーマにレクチャー。からだの健康においては、食事、運動、睡眠をバランス良く行わなければならないと指摘。一方、こころの健康に関しては、年間自殺者数が交通事故の死亡者数よりも多いことに言及。その主な原因であるストレスについて解説し、早めの休息や完璧を目指さないこと、いろんなことに興味を持つなどセルフケアが大切だと語った。

 続き行われた防犯教室では、寸劇形式で性犯罪、ひったくり、侵入盗の3事案に関する対策を具体的に解説。年末年始に向けて防犯意識を高めた。

 また、卒業生のスピーチでは大阪府立大学大学院を修了し、現在は日本学術振興会で優れた若手研究者であることを認められた特別研究員として活躍しているアイエドウン・エマヌエルさんが「自分の原動力について」をテーマに思いを伝えた。エマヌエルさんは「私が日本で学んだ大切な言葉に『刻石流水』という四字熟語がある」と紹介。受けた恩は心に刻み、かけた情けは水に流せという意味であるとし、「大遊協財団をはじめ、これまでさまざまな人の助けのもと今日に至る。人にしてもらったことを誰かに返すことを喜びに、これからも励んでいきたい」と述べるとともに、現役奨学生に「自分の軸をしっかりと持ってほしい」とアドバイスした。