通販・訪問販売の倒産が過去最多の勢い 「多品種」が曲がり角、事業者格差も (1/4ページ)

ケフィア事業振興会の本社ビル(真ん中の白い建物)
ケフィア事業振興会の本社ビル(真ん中の白い建物)【拡大】

  • 通信販売・訪問販売小売業の倒産の年次推移

 今年の通信販売・訪問販売小売業の倒産が過去最多に迫る勢いとなっている。すでに10月集計時点で3年ぶりに前年を上回った。ネット通販市場は拡大しているが、衣食住にわたる各種商品を扱う企業の倒産が目立ち、「多品種」の商品展開も曲がり角を迎えていることを窺わせた。負債5千万円未満が全体の約8割を占め、業界内で事業者間の格差が広がっていることも浮き彫りにした。(東京商工リサーチ特別レポート)

 2018年1-10月の通信販売・訪問販売小売業の倒産は56件(前年同期比33.3%増)だった。調査を開始した2009年以降では、年次ベースで過去最多の2015年(77件)に迫る勢いで推移している。

◆基幹商品を持たない小規模企業が脱落

 また、負債総額は1033億2700万円(前年同期27億3000万円)と大きく膨らんだ。これは食品通信販売のケフィア事業振興会(東京、負債1001億9400万円)の大型倒産が影響した。

 全体では、負債5千万円未満が44件(前年同期比51.7%増)で、約8割(構成比78.5%)を占め、基幹商品を持たない小規模企業の脱落が進んでいるとみられる。

 2018年1-10月の倒産の内訳では、衣食住に亘る各種商品を扱う「各種商品小売」が最多の19件(前年同期比46.1%増)だった。

 次いで、インテリア用品や美術工芸品などの「その他」が前年同期同数の15件、アパレル関連などの「衣服・身の回り品小売」が14件(前年同期比133.3%増)、家電などの「機械器具小売」が前年同期同数の2件だった。

◆業績不振に陥ると事業再建は難しい

 形態別では、企業の解体・消滅である破産が55件(前年同期比34.1%増)で、全体の9割(構成比98.2%)を占めた。これに対し、再建型の民事再生法は1件だけで、業績不振に陥った企業の事業再建が難しいことを反映した。

参入障壁は低いが…