通販・訪問販売の倒産が過去最多の勢い 「多品種」が曲がり角、事業者格差も (2/4ページ)

ケフィア事業振興会の本社ビル(真ん中の白い建物)
ケフィア事業振興会の本社ビル(真ん中の白い建物)【拡大】

  • 通信販売・訪問販売小売業の倒産の年次推移

 原因別では、販売不振が39件(前年同期比39.2%増、構成比69.6%)。次いで、事業上の失敗7件(前年同期比40.0%増)、他社倒産の余波5件(同25.0%増)、運転資金の欠乏3件の順。

 従業員数別では、5人未満が51件(前年同期比45.7%増)になり、小規模事業者の倒産が全体の9割(構成比91.0%)を占めた。また、2013年以降に設立された事業者は15件(構成比26.7%)で、設立から日が浅い5年以内の新規事業者が約3割を占めた。

◆参入障壁の低さが“もろ刃の剣”に

 通販事業は、参入障壁が低く、個人でも事業の立ち上げが可能だ。スマートフォンやパソコンを経由した取引の拡大で、地方や小規模企業でも十分に成長できる市場ともいえる。

 だが、その反面で競争相手が多く、消費者の嗜好変化や評判にも左右されがちだ。さらに、同業他社に対する差別化の「強み」がなければ、市場から淘汰され易く、そのスピードが速くなっている。ブームに乗っただけでは生き残ることが難しい市場だけに、経営に慎重な舵取りが求められている。

 2018年1-10月の通信販売・訪問販売小売業の倒産増加の要因には、相次ぐ中小企業のネット通販への参入が過当競争に拍車をかけていることが挙げられる。

 こうしたなか、来年10月には消費税率の引き上げが予定され、個人消費の節約志向が一層強まることが予想される。成長を続ける通販市場だが、今後の小規模企業の脱落増加が危惧される。

《2018年 通信販売・訪問販売小売業の主な倒産事例》

(1)ケフィア事業振興会(東京都、食品通信販売、負債総額1001億9400万円、破産)

 柿やヨーグルト、ジュースなど食品を中心とした通信販売「ケフィアカルチャー」を運営していた。公称220万人の会員を誇り、通信販売以外にダイレクトメールで買戻付売買契約の「オーナー制度」や金銭消費貸借契約の「サポーター募集」により、資金を集めていた。積極的な「オーナー制度」の募集により、平成29年7月期は売上高1004億円をあげた。

日本唯一の地図専門のネットショップも