QR決済、参入拡大で競争激化 LINEなど 利便性向上が浸透の鍵 (1/2ページ)

LINEが提供するQR決済を導入した東京・新宿の飲食店=9月
LINEが提供するQR決済を導入した東京・新宿の飲食店=9月【拡大】

  • QRコード決済の仕組み

 IT企業や携帯電話会社などが、現金を使わず支払いができる「QRコード決済」事業に続々参入している。現金決済の負担が減る導入店や、豊富なデータが得られる事業者にとって、メリットが多い一方、日本はもともと現金志向が高くて普及がなかなか進まないのも事実。消費者の使い勝手を、どこまで高められるかが浸透の鍵となりそうだ。

 ◆「手数料ゼロ」相次ぐ

 「両替の手間や、釣り銭が合わないという問題が減った」。東京・新宿で焼き肉店などを経営する「ファクト」の姜在根社長は、LINE(ライン)が提供するQR決済を全店で導入した。現在は売り上げに占める現金を使わない決済の割合が、2年前の1割から3割まで上昇した。

 QR決済は顧客が表示したQRコードを店舗のレジなどで読み取って決済する「店舗読み取り方式」と、店舗ごとに付与されたQRコードを顧客がアプリで読み取る「利用者読み取り方式」がある。クレジットカードや交通系電子マネーと違い、初期費用はほとんどかからず導入しやすい。

 ライン系の運営会社は、現金支払いが多い中小企業や個人商店で一気に広めようと、専用のアプリを導入した事業者限定で、支払価格の2.45%の手数料を2021年7月末まで無料にするキャンペーンを始めた。運営会社の長福久弘最高執行責任者(COO)は「『手数料が高いから導入しない』という理由はなくなった」と強調する。

 こうした動きに他社も追随し、ヤフーとソフトバンクが折半出資する決済会社「ペイペイ」や、アマゾンジャパンも手数料ゼロを発表した。手数料ゼロにしないものの、NTTドコモや楽天は顧客基盤を売りに加盟店拡大を急ぐ。国内は群雄割拠で「どこが覇権を握るか分からない」(業界関係者)状況だ。

主導権争いに危機感