日産問題「株主は蚊帳の外」 ダルトン創業者、仏政府の介入促す

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長の逮捕に関連し、米ヘッジファンド、ダルトン・インベストメンツ共同創業者のジェイミー・ローゼンワルド氏は、ゴーン容疑者の会長解職など一連の動きの中で「株主が蚊帳の外に置かれている」と警鐘を鳴らした。「フランス政府は株主の権利を守るために立ち上がるべきだ」と述べた。

 ゴーン容疑者は、日産、仏ルノー、三菱自動車の3社連合で中心的な役割を務めていた。逮捕を受け、日産は臨時取締役会を開催し、11月22日付でゴーン容疑者の会長職を解任。西川広人社長は、19日の会見でゴーン容疑者が虚偽記載のほか会社の投資資金や経費を私的に支出するなど複数の重大な不正行為を行っていたと話した。三菱自動車も26日の臨時取締役会でゴーン容疑者の会長職の解職を決めたと発表。一方、ルノーはゴーン容疑者を会長職から解任しなかった。

 ローゼンワルド氏は一連の解任劇について「43%の議決権を握る株主が日産の完全支配を狙い、日本株式会社がそれに反撃したという構図だ」と読み解く。その上で「もし仏ルノーが単なる国有企業ではなく、本当の株主というものが存在するのであれば、すぐに臨時株主総会を開催して日産の役員全員を追い出すだろう」と述べた。

 ローゼンワルド氏は日産の業績がゴーン容疑者の下でV字回復を遂げたことに触れ「日産の株主はゴーン氏の実績で救われた。そして、投資家たちは今回の解任劇の中で置いてきぼりになっている」と指摘。ルノーの大株主であるフランス政府は、株主の利益を守るためにこの問題に介入すべきだとした。仏ルメール経済・財務相は、日産とルノーの連合におけるガバナンスと株式持ち合いの構造を変えるべきではないとの見解を示した。

 ダルトンは日産の株主ではないが、ローゼンワルド氏は「企業統治の観点からこの日産のクーデターに注目している」と指摘。ダルトンは日本市場で長く投資しており、2017年に新生銀行に対して2000億円規模の自己株買いを促すなど「物言う株主」として知られている。(ブルームバーグ Tom Redmond、Takako Taniguchi)