大津市のガス新会社が運営方針 来年4月から一律1%値下げ

握手を交わす(右から)大阪ガスの本荘武宏社長、大津市の越直美市長、ガス会社「びわ湖ブルーエナジー」の深野裕一社長=26日、大津市役所
握手を交わす(右から)大阪ガスの本荘武宏社長、大津市の越直美市長、ガス会社「びわ湖ブルーエナジー」の深野裕一社長=26日、大津市役所【拡大】

 大津市は26日、来年4月から民間企業と共同で行うガス事業の運営方針を発表した。現行料金からの一律約1%の値下げのほか、電気とのセットプランやガス機器、水回りの修理サービスなどの提供を通じ、ガス小売りの全面自由化に伴って減少していた顧客数の回復を目指す。

 市は25日付で、民間との共同運営のために立ち上げた新会社「びわ湖ブルーエナジー」(同市浜大津)の株式の75%を、大ガスやJFEエンジニアリング、水道機工の3社でつくる企業連合に90億円で譲渡し、運営権実施契約を結んだ。

 びわ湖ブルーエナジーは小売り事業やガス管などの保安業務を行う。社長には大ガス北部地区支配人の深野裕一氏(57)が就任。従業員は約40人で、市企業局から最大23人を派遣する方向で調整している。

 来年4月からの事業開始にあわせ、現行のガス料金から一律約1%値下げするほか、大ガスの提供する電気とのセットで最大約5%割引となるプランを提供する。

 びわ湖ブルーエナジーの試算では、電気とのセットプランは1カ月あたり50立方メートルのガスと370キロワットの電気を使用する世帯で、ガス、電気料金が年間で計約1万円安い19万6千円程度になるという。

 越直美市長は26日、市役所で記者会見し、「料金の(値上げを防ぐための)上限設定など、新会社のガバナンス(企業統治)をしっかり行いながら、多様なサービスを展開したい」と強調。大ガスの本荘武宏社長は「官民の良いとこ取りができる豊富なメニューで安心安全なサービスを展開する」と意気込みを語った。

 市はガス管などの資産を保有したまま、民間に事業の運営を委ねる「コンセッション方式」を全国で初めて採用。10月に大ガスなどでつくる企業連合を優先交渉権者に選定していた。