【トップは語る】人形町今半 洋食店「芳味亭」の事業承継、老舗を大事に


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 □人形町今半社長・高岡慎一郎さん(60)

 --12月に東京・人形町の老舗洋食店「芳味亭」のリニューアルオープンを発表した

 「これまで芳味亭がグループに入っていることは、特に外部に公表はしていなかった。今回の発表で初めて公表した形となった」

 --グループ化の経過は

 「10年ほど前に、芳味亭のオーナーシェフの方が亡くなり、それからは奥さんと職人らで店を切り盛りしてきた。しかし、皆さんが高齢となる中で、奥さんが店を閉めたいと周囲に相談されていた。同じ人形町ですき焼きの店をやっている当社で何か助けられないかということで、今半グループに入って店を続けていくことで話が進んだ。外食でチェーン店が増えるなかで、『個店』を大事にしていきたいと考えたからだ」

 --事業承継したことになる

 「2014年11月に芳味亭の営業権と土地を取得した。今まで通りに皆さんに働いてもらうと同時に、今半から店長を送り込んだ。特に、味のばらつきを少なくするなど品質面をより磨き上げることに注力した。人形町を象徴する『甘酒横町』にいい(不動産)物件が出たので、老朽化していた本店の移転・リニューアルに至った」

 --芳味亭は昨年2月に東京・大手町に出店した

 「今半には洋食店のノウハウはなく、人材を育てる目的で新規出店をした。今までの店に新しい人を入れれば、前からいた職人にやめてもらわなくてはならない。そうしないため、新しい店を出して、職人に若い料理人へ芳味亭の味を教え込んでもらった」

 --こうした事業承継を今後も続けるのか

 「人手不足が深刻化する中で、ホスピタリティー(もてなし)が必要とされ、人手が多くかかる外食を拡大することは難しいだろう。同様の対応は今は考えていない」

【プロフィル】高岡慎一郎

 たかおか・しんいちろう 1986年人形町今半入社、90年取締役、93年常務を経て、2001年から現職。18年5月から外食産業の業界団体、日本フードサービス協会会長。東京都出身。