AI人材確保へ博士号取得者に「特別枠」 NTT西日本

NTT西日本の小林充佳社長=大阪市中央区(寺口純平撮影)
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 NTT西日本の小林充佳(みつよし)社長は27日までに産経新聞のインタビューに応じ、人工知能(AI)分野の人材確保に向け、大学の博士号取得者を採用する新たな枠組みを2020年度採用分から設ける考えを明らかにした。同分野のM&A(企業の合併・買収)の検討も進める。

 AIを活用したビジネスが急速な広がりをみせるなか、日本では専門人材が不足し、企業の競争力を阻害すると懸念されている。小林氏は、統計学や情報分析に精通した「データサイエンティストの活躍の場が増えている」と述べ、同分野の博士号取得者の採用に向け「通常の採用とは別に、特別な受け入れ体制を整える」と語った。NTTグループでは従来、博士号取得者は主に研究所などでの採用にとどまっていた。小林氏は「大学側とも協議を進める」と述べ、就職難が指摘される博士号取得者の輩出の促進につながることへの期待も示した。

 小林氏はまた、M&AによるAI人材の確保についても「検討中の案件が複数ある」と明かした。NTT西はこれまで単独でM&Aを行った事例はないが、小林氏は6月の社長就任直後から、意欲を示していた。