【経済インサイド】あえて「敵に塩を送る」みずほ LINE接近の真意は (1/3ページ)

記者会見で握手するLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長
記者会見で握手するLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長【拡大】

  • 記者会見に臨むLINEの出沢剛社長(左)とみずほフィナンシャルグループの岡部俊胤副社長

 みずほフィナンシャルグループ(FG)が昨年無料通話アプリのLINEと提携し、2020年に新銀行「LINE Bank」を開業すると発表した。みずほにとって、日本の代表的なITプラットフォーマーとの協業は若年層など顧客基盤開拓を後押しするが、一方で既存事業を浸食しかねないもろ刃の剣だ。それでもあえてLINEに接近するのは、データビジネスへの本格参入などで事業構造を抜本的に変革するための布石とみられる。

 スマホ銀行

 新銀行の業務の詳細は明らかになっていないが、実店舗を持たず、約7800万人の利用者を抱えるLINEと連携したスマートフォン向けの預金や融資、決済などのサービスを手がける「スマホ銀行」を展開するようだ。

 「今の金融サービスは10年、20年前に考えられたものを、何とかインターネット対応にしている」。LINEの出沢剛社長は会見で既存の銀行サービスに対する痛烈な見解を口にした。

 新銀行は店舗やATM(現金自動預払機)を持たないため、運営コストは低く、LINEを通じた他のビジネスと相乗効果を効かせれば、手数料の大幅な引き下げも可能になるため、若年層が手軽に利用できるサービスとしての期待も大きい。

 LINEは2014年にスマホアプリを使って決済や送金ができる「LINEペイ」を開始したのを皮切りに、保険や証券にも矢継ぎ早に参入しており、銀行業への参入で金融サービスをほぼ網羅する形だ。背景には収益の柱である通話アプリの市場拡大に頭打ち感が出ていることがある。LINEの顧客基盤を活用した利便性の高い金融サービスを新たな収益源にする青写真を描く。

 だが、金融の本丸である銀行業への参入は保険や証券に比べ、金融規制のハードルが高い。そこで3メガ銀行の一角であるみずほ銀から、融資の審査や決済インフラの安全性確保、マネーロンダリング(資金洗浄対策)など免許取得に必要なノウハウの提供や金融庁との折衝の支援を受けたいとの思惑がある。

顧客奪い合いも