【2019 成長への展望】NTT社長・澤田純さん(63)

NTTの澤田純社長=11日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)
NTTの澤田純社長=11日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)【拡大】

 ■データはサービスの源 石油以上の力

 --プラットフォームを提供する米国の4大IT企業、GAFAへの規制が議論されている

 「政策課題であることは間違いない。GAFAの規制の背景には、法律や税制の建て付けがマッチしていない問題がある。サーバーが日本にない場合、いろんな法律が届かないし、税金の捕捉もできない。日本でサービスを提供されている企業は日本国内にサーバーを置き、日本の法体系のもとで税金も払うべきだ」

 --政府によるGAFAの規制議論では、データが勝手に持っていかれてしまうという指摘も出ている

 「データを集めることは能力の高い次のサービスを生み出す源になる。世界中のデータを集めれば集めるほど、多言語のデータベースエンジンができ、お金をとるモデルができる。マーケティング情報だけでなく、自分のサービスをブラッシュアップするのにも使える。怖い話をいうと、個人を誘導できる可能性もある。政治的な意味も含めて流行を仕掛けられる。石油以上のパワーを持っているかもしれない」

 --防犯カメラなどを活用した公共安全システムを米ラスベガスに導入したが、個人情報の取り扱いは

 「データそのものも売れる。だからデータは、自治体に集めるというのが、ラスベガスのシステムの考え方。個人情報を守りながら地域住民サービスをきちっとしたいというラスベガスの方針はいいと思う」

 --今夏にも、総務省は携帯電話の通信料金と端末購入代金を区別する分離プランを携帯電話事業者に義務づける見通しだ。どうみるか

 「完全分離を推進する政府の方針は非常に評価している。固定電話では分離した途端、端末市場が爆発した。電電公社(現NTT)承認の電話ばかりだったのが海外も含めていろいろな機種が出た。他の端末が売れなくなるからと、NTTは端末補助を徹底的に禁止された。携帯電話でも端末サイドに新規参入やいろんな機種が入ってくるべきだが、そうなっていない。今は競争が起こらないモデルになっているからだ」

 --中古端末の流通促進に政府は前向きだが

 「仮想移動体通信事業者(MVNO)に販売する台数を拡張しろとNTTドコモにお願いした。中古市場はできたほうがいい」

 --18年は災害が多発した

 「自治体が策定する降水計画が見直される可能性があるので、それに対応できる防備をする。人工知能(AI)を利用して、故障とか、災害被害の予測をやる。あとは実際に災害が発生したときの連絡体制を整備する。特に外国人向けの情報発信を強化する」

【プロフィル】澤田純

 さわだ・じゅん 京大卒。1978年日本電信電話公社(現NTT)入社。NTTコミュニケーションズ副社長を経て、2014年6月からNTT副社長。18年6月から現職。大阪府出身。