人口減・高齢化をチャンスに ベンチャー3社の取り組み (1/3ページ)

AIとドローンを活用した農法を実践するベンチャー企業「オプティム」の菅谷俊二社長
AIとドローンを活用した農法を実践するベンチャー企業「オプティム」の菅谷俊二社長【拡大】

  • 外国人材と日本企業の仲介を手掛けるベンチャー企業「ワークシフト・ソリューションズ」の荒木成則社長
  • AIロボットを活用した在宅高齢者の見守りサービスを本格始動するベンチャー企業「ワーコン」の青木比登美社長

 人口減や高齢化の進展に伴って日本経済が抱える課題の解決をチャンスととらえ、新技術などを駆使して挑むベンチャー企業3社の取り組みを紹介する。

ドローン散布で農薬使用量減

 農業の担い手不足が深刻化する中、先端技術を活用して農家の負担軽減や収入増につなげる動きが出始めている。ソフトウエア開発ベンチャーの「オプティム」(東京)は、人工知能(AI)が作物の異常を検知し、その部分だけにドローンで農薬を散布する技術を実用化した。従来より大幅に農薬使用量を減らしながら品質確保も可能になるとして注目が集まっている。

 農家の高齢化が課題となる一方、重労働などで若者が就農を敬遠する傾向がある。ただ、こうした技術を活用すれば、農作業を効率化できるほか、農産品のブランド力向上にもつながる。菅谷俊二社長は「AIとドローンを使った新しい農法は間違いなく今後の主流になる」と意気込む。

 オプティムは佐賀市が発祥で、地方が抱える問題解決への意欲が強い。農業再生もその一環だ。開発した手法は、虫食いや病気で変色した作物の葉、数万枚の情報をAIが記憶。次に、ドローンで撮影した田畑の画像を解析して類似被害の有無を調べる。異常を検知した場合、ドローンが被害箇所を狙って農薬を散布することで、予防的に全体的にまいていた従来の手法に比べて使用量を飛躍的に減らせるという。

 2018年に初めてこの農法で収穫したコメは、除草剤などを除いた削減対象農薬の使用量が従来の5%以下まで減少した。契約した農家や法人は全国の550事業者以上となり、問い合わせも相次ぐ。

 ドローンなどの機材はオプティムが貸し出す。収穫したコメや大豆は全て農家からオプティムが市場価格でいったん買い取り、付加価値を強調して高価格で販売。機材やマーケティング費用などを除いた利潤の一部を農家に還元するという。

 人口減に伴い、国内の農産物消費量は落ち込みが予想される。一方、「東アジアの需要も取り込めれば将来的には20兆円規模になる」と海外市場も含めた有機食品の需要は増えると分析する。農家の収入増への青写真を描いた上で「収入が増えれば若者にとっても魅力的な事業になる」と地方活性化にも期待する。

【プロフィル】

 すがや・しゅんじ 佐賀大卒。在学中の2000年にオプティムを創業。42歳。神戸市出身。

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