【2019 成長への展望】アサヒグループHD社長・小路明善さん(67) (1/2ページ)


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 ■ブランド力や付加価値の上昇に軸足

 --2019年はどういった年になるか

 「18年は自然災害が多く大変だったが、経済的には変化と刺激のない年だった。それに対して19年は大きな変化の年になる。個人消費で注目される10月の消費税率の引き上げ、統一地方選挙、ラグビーW杯日本大会、そしてなんといっても元号が変わる中で、お祝いムードが続く。海外では、英国の欧州連合(EU)離脱、米中貿易戦争などの要因で大きな変化が予想される。チャンスとリスクが混在する年になる」

 --国内消費の動向は

 「国内消費は名目賃金が上昇しているし、数値データ的には可処分所得は増えている。ただ、若者を中心に消費にブレーキがかかる。やはり、自身の老後の年金などを考えると、将来不安で、消費よりも貯蓄に回すからだ。こういった中で成長戦略として意識すべきなのが地方消費だ。インターネットなどの普及で都市と地方の情報格差は少なくなっているが、実際のイベントなどのコトに対する体験消費は差は拡大している。例えばビール各社が実施する『オクトーバーフェスト』などを地方で実施すると想定以上の来場者となる。オリンピックや万博による消費拡大に過度に期待を寄せるより、地方消費を盛り上げる戦略が必要だ」

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