【eco最前線を聞く】マツダ、次世代エンジン 環境性能、走りを両立 (1/2ページ)

マツダの次世代エンジン「スカイアクティブX」(同社提供)
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 □マツダ パワートレイン開発本部・江角圭太郎マネージャー

 マツダは次世代エンジン「SKYACTIV-X(スカイアクティブX)」を開発した。既存のエンジンと比べて低燃費、二酸化炭素(CO2)排出量削減といった環境性能を高めながら、走りの良さを体感できるトルクを向上させたのが特徴だ。次世代エンジンの開発に当たったパワートレイン開発本部PTシステム開発部第1制御システム開発グループの江角圭太郎マネージャーは「ガソリンエンジン(GE)技術とディーゼルエンジン(DE)技術の良い部分を併せ持つ夢のエンジンだ」と力を込める。

「圧縮着火」技術を採用

 --今後、電気自動車(EV)が増えるとみられるなか、内燃機関の開発に注力した

 「自動車の動力は内燃機関から電動化へシフトしているが、しばらく内燃機関を搭載した自動車が多く残るだろう。急速に増えているハイブリッド車(HV)もモーターを動かすための電気は内燃機関を使って動かす。このため、内燃機関の効率を上げることが重要になる。内燃機関は燃料を燃やして熱エネルギーを発生させて動力にするが、燃料から取り出せるエネルギーは4割程度にすぎない。ポテンシャルは高く、まだまだ効率は上げられる」

 --次世代エンジンの技術的な特徴は

 「GEでありながらDEで主流の燃焼技術『圧縮着火』を採用した点だ。GEに圧縮着火すれば燃費が大幅に向上するのはこれまでにも分かっていたが、実用化は難しかった。GEはDEよりも燃えにくく、燃やすには圧縮比を上げなければならない。しかし、圧縮比を上げるとエンジンの回転数や燃料の量を調整する機構などが必要で、実用化には技術面やコスト面などで課題があった。しかし、当社はDEの圧縮着火では使用しないスパークプラグを活用したり、圧縮着火の燃焼範囲を拡大したりしつつ、燃焼の切り替えを制御する独自技術を確立した。GEの圧縮着火の実用化は世界初だ」

 --マツダが開発できたのはなぜか

 「当社は自動車会社として規模が小さい。このため、何かに集中しなければならない。内燃機関に集中しようと決め、開発に取り組んできた。集中して取り組まなかったら、スカイアクティブXはできなかっただろう」

燃費最大3割向上目指す