【プロジェクト最前線】東テク、省エネの切り札「ESCO」で高まる存在感 (1/2ページ)

打ち合わせをする岡野毅エネルギー企画部長(左)とエネルギーソリューション部の須山菜穂子課長=東京・日本橋本町の東テク本社
打ち合わせをする岡野毅エネルギー企画部長(左)とエネルギーソリューション部の須山菜穂子課長=東京・日本橋本町の東テク本社【拡大】

  • 管理一体型ESCO事業の舞台の一つになった福井大学松岡キャンパス
  • ショールームとしても活躍する東テクグループ本社ビル

東テクのエネルギーソリューション

 空調機器、計装機器の販売・施工を通してビル・施設の快適空間づくりを60年以上にわたって支えてきた東テク。その東テクが空調、計装に続く第3の柱として育成しているのがエネルギーソリューション事業だ。中でも省エネ手法の一つであるESCO(エスコ)事業は、福井大学から国立大初の全キャンパスを対象とした管理一体型を受注するなど着々と実績を積み重ねている。老朽化したビルや施設が増える中、環境への負荷低減をうたう東テクのエネルギーソリューション事業への期待は大きい。

 ◆初期費用の負担なし

 昨年2月、東京・有明の東京ビッグサイト。省エネルギーセンター主催の省エネ大賞授賞式に東テクのエネルギー事業統括部の面々の顔が並んだ。三菱UFJリース、オリックス・ファシリティーズとともに取り組んだ福井大学ESCO事業が、省エネルギーセンター会長賞を受賞したのだ。岡野毅エネルギー企画部長は「省エネ分野で少しは存在感が示せたかな」と控えめながらも自信に満ちた顔で笑う。

 ESCO事業は、米国生まれの省エネ手法の一つで、設備改善などによって顧客の光熱水費などの経費削減を行い、削減実績から対価を得るビジネス形態を指す。顧客は初期費用の負担がなく、経費を削減できるのが特徴だ。資金の乏しい地方自治体や学校などが公募するケースが増えている。

 ESCO事業者は削減分の一部から対価を受け取るが、一方でコミットした削減が果たせない場合はペナルティーを支払うというリスクがある。さらに相当量の手間を費やすこともあって敬遠する企業もあるが、東テクはESCO事業に商機を見いだしている。なぜなのか。

 その理由の一つがメーカーではなく、商社であるという点だ。同事業統括部エネルギーソリューション部の須山菜穂子課長は「エネルギー事業統括部では、機器選定に当たって特定のメーカーや系列に偏ることがない。豊富なラインナップから顧客にとってベストな設備や機器を選択して調達・納入することができる」と強調する。

 もう一つが、導入した後の機器や設備の制御、運用改善だ。機器、設備の稼働データを収集するなどして最適な運転の仕方や保守までを顧客に提供できるという。「空調、計装ビジネスで長年培った機器、設備の運転ノウハウ、蓄積が最大限生かすことができる」と岡野部長は話す。須山課長も「われわれのビジネスは、機器、設備を納入したら終わりではない。ソフト面を含め顧客とは継続的にお付き合いさせていただいている」と語る。

 この2つの要素、言い換えればこの東テクのDNAがシビアな品質を求められるESCO事業への参戦を可能にしているといってよさそうだ。

管理一体型を初受注