【2019 成長への展望】三井住友FG社長・国部毅さん(64)


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 ■成長投資に向けアジアでの買収加速

 --フィナンシャルグループ(FG)社長に就任して1年半以上が経過した

 「就任して新たな中期経営計画をスタートさせた。財務基盤の強化のほか会社の事業力と収益力を拡大するための再編はかなり進み、手応えがあった」

 --中期経営計画は2019年度が最終となる。次期計画はどういったものになるか

 「積み上げた資本を成長投資と株主還元に使うステージに入る。成長投資という観点でいえば、企業価値を上げるためにも、どこに資源を使っていくのかというのが論点。現金を使わないキャッシュレス決済分野などへの戦略的な投資、企業買収も選択肢に入る」

 --買収する企業の条件は

 「戦略に合致し、収益性があり、リスクを十分マネジメントできるもの。例えばアジアの商業銀行。国内よりも海外の企業が多くなるだろう」

 --どのような方向性で買収を進めるのか

 「成長性が見込まれる国において、リテール(個人向け業務)を含めたサービスを提供する。現在はインドネシアとベトナムに進出している。その他にもターゲットとなる国があるのではないかと研究、検討しているところだ」

 --ターゲットはアジアが中心となるのか

 「リテールまでやるのであれば、文化的、物理的な近接性があるアジア。一定以上の所得がある中間層が大きく伸びていくマーケットでもある。国の成長の果実を収益に取り込む」

 --想定している時期や金額的な規模は

 「金額は、内部的にはあるが申し上げられない。だが、時期に関しては定まったものはなく、案件があればと常に考えている」

 --三菱UFJ銀行とのATM(現金自動預払機)の相互開放や、GMOペイメントゲートウェイと開発するキャッシュレス決済システム開発の進展は

 「キャッシュレス決済の普及を踏まえると、ATMの競争価値は薄れ、非競争領域となる。他行と協力してコストを抑え、利用者も使えるATMが増えることで利便性が増す。着地に向けた最終的な議論を行っているところ。システム開発についてもかなり進んでいる。18年度中にサービスを提供できるだろう」

 --太田純副社長との社長交代まで3カ月ある。意気込みを

 「まずは18年度をしっかりと仕上げることだ。19年度は中期経営計画の最終年度に当たり、それを達成できるようにしたい」

【プロフィル】国部毅

 くにべ・たけし 東大経卒。1976年住友銀行(現三井住友銀行)入社。三井住友銀行取締役専務執行役員などを経て2011年に同行頭取。17年4月から現職。東京都出身。