ゴーン容疑者出廷 「人生の20年をささげてきた」貢献強調も 日産、既に決別

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  • ゴーン前会長発言ポイント

 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者が8日、東京地裁に出廷した。ゴーン容疑者は意見陳述で「人生の20年を日産の復活にささげてきた」と、これまでの貢献を強調したが、日産の関係者は「われわれの立場はこれまでと変わらない」とすげなく、ゴーン容疑者とは既に決別したとの立場だ。

 日産の広報担当者は「司法手続きの一つのプロセスなので、コメントしない」としている。

 だが、同社内は8日午前、固唾をのんでゴーン容疑者の意見陳述の成り行きを見守った。内容が伝わると、「報道などで今までに出ていたこととあまり変わらず、サプライズはなかった」(関係者)と、安堵(あんど)する声も。仏紙に掲載されたインタビューで、ゴーン容疑者の息子が「父の反論に誰もが驚くだろう」と述べたことで、日産側も身構えていたからだ。

 日産は「社内調査で解任に足る不正は判明している。検察当局の捜査結果とは別に、取締役会で会長職の解任という結論を出しており、全く揺るがない」という立場。例えば役員報酬の虚偽記載では法的な問題以前に、「株主総会での直接の説明でも、株主を欺いていたことになる」(幹部)と指摘する。

 もっとも、日産にとっては気がかりな点がある。同社の株式の43%を保有する自動車大手の仏ルノーはまだゴーン容疑者の最高経営責任者(CEO)職を解いておらず、影響力が残る可能性が消えていないことだ。

 筆頭株主であり、企業連合を組むパートナーでもあるルノーとの足並みの乱れは放置できない。

 このため、日産はルノーに直接、内部調査の結果を説明したいと昨年12月中旬に提案したが、ルノーは「弁護士を通してほしい」と拒否。しかし、その後、ゴーン容疑者が特別背任容疑で再逮捕されたため、日産は「虚偽記載よりインパクトがあり、(ルノー側の対応が)少し変わってくると期待している」(関係者)状況だ。