【山本隆三の快刀乱麻】カリフォルニア州、世界最大規模の蓄電池導入へ (2/3ページ)

南オーストラリア州の送電網(ブルームバーグ)
南オーストラリア州の送電網(ブルームバーグ)【拡大】

  • 米カリフォルニア州の太陽光発電設備(ブルームバーグ)

 ◆設備導入率が全米一

 カリフォルニア州は、気候変動問題への対応に熱心だ。太陽光、風力発電設備の導入、EV導入支援などのため、さまざまな政策を導入している。同州の太陽光発電設備導入量は全米一となり、全米の太陽光発電設備導入量(5830万キロワット)の39%(2278万キロワット)を占めている。発電量も大きく、223億キロワットh(18年1~7月)だ。さらに風力発電設備容量も全米4位の569万キロワットで、その発電量は92億キロワット時(同年1~7月)だ。同州の水力発電以外の再生エネの全発電量は同期間355億キロワット時で、全発電設備からの発電量は1113億キロワット時だ。

 同州では、再生エネ発電設備の導入拡大により、14年5月から電力需要が少ない日には出力抑制が毎月必要になった。抑制量は再生エネ設備の拡大に伴って増え、捨てられる再生エネ電力量は増加を続けている。同州の送電管理者によると、18年10月に8300万キロワット時超が捨てられた。

再生エネのバックアップに

 太陽光と風力の発電量増加に伴い、同州の火力発電の主体である天然ガス火力の発電量が減少している。天然ガス火力は3800万キロワットあるが、18年1~7月の発電量は469億キロワット時で、稼働率は22%程度に低迷している。

 同州の大手3電力会社の1つであるPG&Eは、老朽化した天然ガス火力の閉鎖を行い、代替設備として世界最大の蓄電池を送電網に導入することを計画した。同社は、同州中部から北部に電力の顧客530万件、天然ガスの顧客440万件をかかえ、水力から原子力まで約800万キロワットの発電設備量を持つ。

 CPUCは18年11月、蓄電池導入計画を承認した。稼働率の低迷に加え、同州の電力事業用の天然ガス価格は全米平均を上回っていることから、天然ガス火力の発電コストが相対的に高くなることも考慮されたと思われる。

 ◆火力発電の代替

 CPUCは、蓄電池を導入したほうが非常用電源を確保するより安くなり、その結果、需要家の電気料金支払額も軽減される前提で、競争力のある蓄電池契約選定作業をPG&Eが開始することを18年1月に承認した。

 この決定を受け、同社は契約選定作業を進め、4基のリチウムイオン蓄電池(計56万7500キロワット)を送電網に導入する計画を固めた。テスラが17年、南オーストラリア州に導入した10万キロワット、12.4万キロワット時の蓄電池が世界最大とされているので、PG&Eの導入が完了すれば、その規模は一気に拡大することになる。

技術開発競争、さらにし烈に