【山本隆三の快刀乱麻】カリフォルニア州、世界最大規模の蓄電池導入へ (3/3ページ)

南オーストラリア州の送電網(ブルームバーグ)
南オーストラリア州の送電網(ブルームバーグ)【拡大】

  • 米カリフォルニア州の太陽光発電設備(ブルームバーグ)

 同社が導入を計画している蓄電池は表の通り。テスラ製の蓄電池(18万2500キロワット、73万キロワット時)はPG&Eが保有するが、残りの3プロジェクトは第三者が保有する。導入は19~20年にかけて行われる予定だ。

 PG&Eは18年7月、CPUCに対し計画の申請を行った。一部需要家などから、蓄電池導入は電気料金の引き上げにつながるとして反対を受けたが、CPUCは4対1で認可した。CO2の排出削減に結び付くことや、コスト面でも低稼働率の天然ガス火力より、コストが下がっている蓄電池のほうが相対的に有利との判断だ。

 再生エネ導入量が急増し、火力の稼働率が低下しているカリフォルニア州の特殊な事情もあるものの、再生エネ導入量が増加するに連れ、多くの地域で火力発電所の稼働率が低下し、出力抑制により捨てられる再生エネ電力が増えることを考えれば、蓄電池が老朽化した火力発電所を代替するケースが増えていくだろう。ビル・ゲイツ氏が投資対象にした蓄電池をめぐる技術開発競争は、これからさらにし烈になっていく。

 ■PG&Eの蓄電池プロジェクト

 (プロジェクト/期間(年)/放電時間/サイズ(メガワット))

 Vistra Moss Landing/20/4/300

 Hummington         /15/4/75

 mNOC AERS          /10/4/10

 Moss Landing(Tesla)/20/4/182.5

 ※PG&Eプレスリリースから作成

【プロフィル】山本隆三

 やまもと・りゅうぞう 常葉大学経営学部教授。京大卒業後、住友商事に入社。地球環境部長などを経て、2008年プール学院大学国際文化学部教授、10年から現職。財務省財務総合政策研究所「環境問題と経済・財政の対応に関する研究会」、経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。現在、国際環境経済研究所所長、NEDO技術委員などを務める。著書に『経済学は温暖化を解決できるか』(平凡社)、『夢で語るな日本のエネルギー』(マネジメント社)など。